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ドイツのあれこれ

 今回はドイツの医療事情について一部触れたいと思います。ドイツの医療は日本とどこが違うのでしょうか。


 ドイツは国民皆保険。(国が負担することもありますが、多くは企業の社会保険)そして税金が高いのはご存知のとおり。

 医療費は負担ゼロです。

 国民全員、無料。(難民も含めて)


 国民は医療費負担ゼロ! のドイツの世界。

 皆さん、これは素晴らしい制度だと思われますか?


 私は実際ドイツに行って疑問を持ちました。


 例えばタバコが原因で病気になったヘビースモーカー。

 過度な超肥満(200キロ超え)でベッド上で生活している何も出来ない方。

 自己管理が出来ずにこのような事態になったわけですが、そのような方も国が面倒を見てくれます。

 後者に至っては、動くこともままならないので、働けません。なのに減量入院、胃を切除する手術等、全ての費用は無料なんです。(入院費は1日微々たるお金がかかるようですが)

 違和感を感じませんか?

 でもそうなったのは自己責任だからそういう人は放置、なんてことはやはり出来ませんでしょうけれども。


 もちろん、収入が多くない方、身体や家庭の事情で働けない低収入の方が突然ガンや難病になってしまったら治療費は無料! なんていうこれほど有難い制度はないとは思いますが。

 どんな方も一緒くたに、医療費無料、ていうのは……。違和感。


 この無料、というのがクセ者だと思うんですよ。

 病気になってもどうせ治療は無料だから、ていう考えになってきませんでしょうか。

 体調管理なんてものが甘くなってきませんか。

 予防医学、という考え。

 日本、特に東洋医学では中心の考え方ですが。こちら、そのような考えが少ない(もしくは存在していないんじゃないか?)のではないかと思います。


 悪くなったら、その時はその時。病院行きゃいいじゃん、タダだし。のような。


 例えば、年に一度の健康診断がもちろんドイツにはありますが。

 体重100キロ間近のD先生のご主人が健康診断を受けた際、医師から言われた言葉は


『うん、ちょっと血圧高いね』


 それだけ。


 それだけです。

 日本ならメタボ健診で引っかかると、ぎゃあぎゃあ言われて、挙句に『体重どうですか?』なんて内容のメールが頻繁に来たりするものです。


『こんなに肥満の人が多くて、私なら危機を感じるんですが、国家的に対策はしてないんですか?』


 日本のように将来の医療費削減を目指してのメタボ健診とか。

 D先生のご主人に聞いてみたんですが(もちろんD先生の通訳により)ご主人の返事は


『個人の自己管理、自己責任だから』


 うーん。

 それはそうなんですが。


 肥満について言及していくと、ドイツの食文化を真っ向否定することになりますし、食肉業、チーズ産業に影響を与えるからかなあ。


 でも、煙草に関しては滅茶滅茶厳しいくせになあ。そこは違うのか。

 欧州の煙草のパッケージは、日本とは違い乳癌とか咽頭がんの患部の写真が載っており、なかなか強烈です。

 しかしそれでも吸う人は吸うんですが。


 また、高齢者に対してのドイツの医療? 介護について少し触れます。


 日本は寝たきり防止、健康寿命を延ばそう!ということで機能訓練デイサービスの施設が増えてます。そこら中にありますね。


 ドイツはそんな機能訓練施設、見ませんでした。無いんじゃないかなあ。

 老人ホーム、訪問看護、介護ステーションならあります。


 寝たきりになったら、訪問してもらって面倒みてもらおう、高いお金払ってきたし。ということかなあ。


 一応、高齢者ご本人がリハビリ等を受けて寝たきり防止に運動訓練したい! 足腰の筋力を維持したい! と望むなら無料のタクシーで病院に通って無料の機能訓練を受けられるそうなんですが。そこまでする高齢者はまあ居ないでしょう。


 日本に帰国してから、そのことを患者さんに話してみたんですが、次のようなお言葉をもらいました。


『日本みたいに長生きされたらそれこそ医療費大きくなっちゃうから。肥満で今みたいにみんなに早死にしてもらわなきゃならないからそうなんじゃない?』


 ああ、そうか。そうですね。


 健康寿命を延ばそうと予防医学に励む国。


 昔から親しんできた食生活。好きな物を好きなだけ飲んで食べ、衰えてきたら成り行きに任せて、長生きはしないという国。


 あなたならどちらの国が良いと思いますか?


 とりあえず、医療費負担が3割ぐらいの日本は私はちょうど良い塩梅だと思います。

 やっぱり無料には無料の弊害があるんじゃないでしょうか。














アメリカは医療費が高いですけど、肥満が多いですね。

医療費の高さ安さは個人の体調管理に影響は与えないのでしょうか。

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