5話 かけがえのないくらいに
・・・俺
・・・笑ってたのか?
メッセの部屋
メッセ「・・・・・
・・・世界が
メッセ「・・・・・クソヤローしか
・・・居ないと
・・・わかってから
メッセ「・・・・・そうだよ
・・・俺には見える
・・・いや見えてしまう
メッセ「・・・・・人の
・・・黒い心が
メッセ「・・・・・見えてしまうのに
・・・見えてしまうのに
メッセ「・・・・・なんで
・・・アライヴだけには
・・・見えないんだ?
メッセ「・・・・・
・・・なんで?
メッセ?
アリィ「銭湯
行ってきな?」
メッセ「あぁ
今日は
その日だったか
夜道
街を行きかう人々を見る
メッセ「(・・・誰もかしこが
・・・闇を持つ)
メッセ「(多かれ少なかれ
闇を持つ
いま
行きかう人間たちだって)
メッセ「(あいつの闇は大きいな
この人は少ない)
メッセ「(善人でも
多少なりとも闇は持つだろ?
・・・ない人間なんて
・・・今まで居たか!?)
メッセ「(・・・・・あれ?
・・・この人間は)
メッセ「(・・・・・この人間も
・・・少しも
・・・黒くない)
メッセ?
メッセ「・・・・・あれ?」
もしかして
アライヴ「銭湯に行くのですか?」
語り合いながら
銭湯までの夜道を歩く
メッセ「危なくねえか?
女の子がひとりで夜道なんて」
アライヴ「だったら
あなたが
これから守ってくれる?」
メッセ「できるならしてやるが
夕方の時みたいに
なってほしくねえし」
メッセ「よく銭湯に行くのか?」
アライヴ「週一で行きますね」
メッセ「俺も
そのくらいだわ」
アライヴ「・・・この話を聞いて
・・・嫌になりませんか?
メッセ「なんで?」
アライヴ「・・・・・臭い
・・・・・女の子とか」
良い匂いだぜ?
アライヴ「・・・・・え?」
メッセ「むしろ
ずっと嗅いでいたい
アライヴ「・・・」
アライヴ「・・・・・」
アライヴ「・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・セクハラって言葉
・・・知ってますか?
え?なんで??
メッセ「彼女なら
していいんだろ?
・・・なんか
・・・認識が
メッセ「ちがうのか?」
アライヴ「・・・・・ちがく
・・・ないのかも
・・・しれませんが
メッセ「わりぃ
本当に女の子と
付き合ったことねえんだわ
アライヴ「・・・・・・・」
メッセ「てっきり
彼女なら
いいのだとばかり
思ってた
メッセ「気を付けるよ」
アライヴ「・・・・・・・
・・・本当に私が
・・・初めてなんだ
メッセ「あ?」
アライヴ「いえ
・・・うれしいなぁと
・・・思って
アライヴ「・・・・・そっか
・・・私は
・・・メッセの
・・・彼女なのか
メッセ「嫌になったのなら」
真逆です
アライヴ「真逆なのですよ?」
メッセ「そっか」
銭湯に入る
アライヴ「じゃあ またね?」
メッセ「待ってるよ」
アライヴ「私 長いですよ?
髪もドライヤーしますし」
アライヴ「毛先が
お尻の下まであるもんな」
アライヴ「だから先に帰って」
守ってくれる?って
言ったの誰だっけ?
アライヴ「・・・」
アライヴ「・・・・・じゃあ
・・・待っててください
湯船に入る
メッセ「・・・・・誰も
・・・居ねぇ
メッセ「・・・・・・・貸し切りか?」
そちらもなのですね?
メッセ「アライヴ?」
アライヴ「こちらも誰も居ないから
お話でもしませんか?
アライヴ「メッセって
飾らないのですね?」
メッセ「なにを?」
アライヴ「彼女の前で
週一でしかお風呂に入らないって」
メッセ「飾ってもボロが出るし
ウソをつけるほど器用じゃない
ウソがヘタ過ぎて
どうせすぐバレるしな
アライヴ「・・・・・・・」
メッセ「もしかして
臭かったか?
・・・いえ
アライズ「・・・・・ずっと
・・・嗅いでいたいです
メッセ「・・・・・・
なあ?
メッセ「アライヴ?
セクハラって言葉
知ってる?
ブーメランですか!?
メッセ「俺って
そんなに良い匂いか?」
アライヴ「えぇ
逆に私も
そんなに良い匂いですか?」
メッセ「あぁ
その匂いに
つつまれたいくらいにな
アライヴ「・・・・・・・
・・・セクハラって言葉
・・・ブーメランかよ
アライヴ「・・・聞かないのですね?
・・・なんで私が
・・・お尻の下まで
・・・毛先が伸びてるとか
アライヴ「・・・・・週一でしか
・・・銭湯に行かないとか
メッセ「ぜったいに
言いたくなさそうだったからな
アライヴ「・・・・・・・・」
メッセ「だったら
そっとしておくのが
正解だと判断しただけだ
アライヴ「・・・・・・・
・・・優しい
メッセ「あ?」
アライヴ「・・・だから私は
・・・あなたから
・・・黒い心が
・・・見えないのかもしれない
メッセ「そんな」
たいそうなものですよ?
アライヴ「かけがえのない
・・・くらいに
外で待つメッセ
メッセ「・・・・・」
お待たせしました
アライヴ「・・・冷え切って
・・・しまいましたか?」
メッセ「春が始まって
温かいくらいだよ?」
アライヴ「・・・・・じゃあ
・・・家まで
・・・送ってくれませんか?
帰り道を行く
アライヴ「・・・・・覚悟ができたら
・・・・・言わせてくださいね?」
メッセ「なにを?」
アライヴ「・・・・・私の
・・・ぜんぶ
アライヴ「・・・・・なんでだろう
・・・どんな人間も
・・・否定しそうなのに
アライヴ「・・・・・メッセなら
・・・なんでも受け入れてくれて
・・・理解してくれそう
メッセ「聖人かよ」
アライヴ「聖人だよ?」
メッセ「だったら
貴女も聖人だ
メッセ「俺は貴女で
貴女は俺だ
アライヴ「・・・・・・・」
メッセ「だったら
アライヴも聖人だろ?
アライヴ「・・・・・そんな」
たいそうなものだよ?
メッセ「かけがえのないくらいに」
アライヴ「・・・・・・・
・・・このブーメランは
・・・良いなぁ
どういう意味だ?
アライヴ「いま気づいたのですが
今日はメッセと
一日中 一緒ですね?
アライヴ「朝から夜まで」
メッセ「言われてみれば確かに」
アライヴ「・・・・・こんな日が
・・・永遠に
・・・続けば良いなぁ
メッセ「・・・・・
結婚すれば
できるんじゃねえ?
アライヴ「・・・・・・・・
・・・何を言ってるか
・・・わかってるの?
メッセ「わりぃ
どうやら俺は
とことん不器用らしい
メッセ「思ったことが
言葉になってしまうのかな?
アライヴ「(・・・・・じゃあ
・・・あなたと過ごした
・・・日々のことは)
アライヴ「(・・・・・ぜんぶ
・・・本当に
・・・思ったことなの?)
アライヴ「・・・・・最高な
・・・一日だったなぁ
アライヴの家の前
メッセ「まさか
家まで送らせるとは」
アライヴ「嫌でしたか?」
メッセ「ふつう
警戒しねえ?」
アライヴ「彼氏に?」
メッセ「愚問だったわ」
アライヴ「じゃあ
また明日
メッセ「あぁ
また明日
アライヴの部屋
姿見を見るアライヴ
アライヴ「・・・・・・
・・・私って
アライヴ「・・・・・こんな
・・・笑顔
・・・できたんだ




