第87話:クローザーは、エンターティナー。再びスターダムにのし上がれ!
ドジャースの絶対的クローザーであるヘイグ投手は、最速101マイル(約162.5キロ)の速球とカットボールとシンカーでバッターをねじ伏せていて、今年で3年目のクローザーである。
そのヘイグ投手が右腕の不調で故障者リスト入りしたことで、いよいよ左のアンダースロー橘周がクローザーに昇格した。
それに合わせて登場曲を変更した。1980年代前半にストリートダンス「ブレイキン」が初めて世界に広がった時のラップの1つだ。
Grandmaster Melle Mel performing "Beat Street Breakdown"
最初は一部の観客にしか分からない古い曲なので、さほど曲自体には盛り上がらなかったが、なんせ身体に染み込むと離れられなくなる曲である。3試合目には、熱狂する観客が激増した。SNSには「曲がかかると震える!」という声が殺到し始めた。
まるで有名なボクサーやプロレスラーのチャンピョンがリングに上がるような雰囲気だ。
ちょっとやり過ぎww。だけど、スーパースターピッチャーから投げることすらできない時を経て普通のリリーフピッチャーに収まっていた昨年を思えば、もう既に怖いものは無い。自身の登場をエンタメ化して、思う存分投げてやろうと振り切っていた。
肝心のピッチングだが、ただでさえ9回は、バッターは力が入って普段の力が出しにくいところに、観客が熱狂する中で剛腕復活した浮き上がるストレートに、各バッターは完全にのまれてかすりもしない!
その上に、縦割れの沈むシュートとツーシームにもたまにバットに当てるのが精一杯だ。おまけにあざ笑うかのようにタイミングを外す浮き上がるカットボールとチェンジアップも時折混ぜられるから、わずか1回の対戦では、なすすべ無しという状況が続く。
わずか6年間で2回も「スターダムにのし上がる」を世界に見せつけている。
その勢いでヤンキース3連戦のため、ニューヨークに乗り込んだ。




