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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
メジャーリーグ編
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86/304

第86話:剛腕の左のアンダースローが帰ってきた!!!!

スーパースターから、契約解除候補まで追い込まれていた橘周は、メジャー6年目で再びピッチャーとしての輝きを取り戻しつつあった。エースセットアッパーとして連日ブルペンに入り、登板すると三振の山を築いていた。防御率も1点台をキープしている。


6月には、3年振りに試合で150キロの初速を計測した。これで「剛腕の左のアンダースロー復活だ!」と日米のファンは色めき立った。


さて、毎日橘周がブルペンにいることで、リリーフ投手陣に変革が起こった。もちろん良いこと。特に伸び悩んでいる若手や、先発から中継ぎに配置転換され先発に復帰したいピッチャー達。


毎日橘周のバッターの研究と調整法を間近で見て勉強し、アドバイスも求めてきた。そういったテクニカル系のこと以外にも、日々の食事、試合に向けてのメンタルのコントロール、チャンスやピンチの時の自分自身をどうやって盛り上げて結果を出しているのか?等幅広く求められた。


去年の橘周は、6月が初登板だったし、腰の不調を抱えながらだったので、自分のことで精一杯だったが、今年は腰の不安がほとんど無くなった(不安はあるが、投球時の違和感が無くなった)から、できる範囲でアドバイスするし、意見交換することでフィートバックも得られた。


結果リリーフ陣は活気と結束力が出て来たし、全体の防御率も改善していった。ややもすると個人主義になりがちなブルペン陣が、橘周を中心に知識の共有やメンタリティを高めることで、チーム力が上がったのだ。


6月末のこと、絶対的クローザーが右腕のコンディション不良で故障者リスト入りした。監督とコーチは迷うことなく、橘周を代理のクローザーに指名した。


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