第69話:さあ、長丁場のプレーオフ(ポストシーズン)開始だ!
橘周の所属するロサンゼルス・ドジャースは、プレーオフ(ポストシーズン)の戦いが始まった。昨年は、いきなりディビジョンシリーズ3連敗で、橘周は一度も出番無しに終わったから、今年はリベンジに燃えていた。
チームは昨年の反省から、ディビジョンシリーズ初戦か2戦目で橘周が投げられるよう、シーズン終盤を調整した。それと、疲労を考慮してワールドシリーズまでは先発ピッチャーとしてのみの出場だ。
そして初戦に登板した。相手はマイアミ・マーリンズ。ドジャース首脳陣と橘周の予想通り高めのフルスイングは抑えめに攻めてきた。
それを見越して真横に曲がるパワーカーブ、2種類のツーシーム、シンカーの4球種をうまく使って抑えていく。5回からは高めのライジングストレートとライジングカッターの比率を上げていき、バッターを混乱させることに成功した。結果7回1失点で勝ち投手。このシリーズは3勝1敗で勝ち抜けた。
次は、リーグチャンピオンシップシリーズで、ナショナル・リーグの覇者を決めるベスト4の戦いだ。相手は、ニューヨーク・メッツだ。ロサンゼルスvsニューヨークなので、なかなかに盛り上がる。
橘周は、このシリーズでも1戦目の先発だ。この日は、チェンジアップを有効に使うところからスタートした。そして打者の反応を反応を見て、ツーシーム、シンカー、パワーカーブを小出しにしながらメッツ打線を翻弄していった。絶対的な武器である高めに浮きあがるライジングストレートがあるからこそ、その対比として、いくつかの沈むボールや真横に曲がるパワーカーブがより有効になるのだ。バッターからすると、忘れた頃に投げられる決め球は非常にやっかいで、それが多くあるので、的が絞られない・・というより絞りようが無い状態に陥る。
橘周は、初戦と5戦目で勝利投手になり、プレーオフで早くも3勝目。ドジャースは6戦目で勝って激戦を勝ち上がった。
ここまで、7回1失点、7回2失点、8回1失点と安定した投球を続けているが、これでもランナーが出た時以外は、抑え気味の投球をしている。
それにしてもアメリカのメジャーリーグは長い。オープン戦やプレーオフを入れると年間180試合前後も行われる。他の競技のように全力で走り続ける内容ではないから180試合もできるわけではあるが、体調維持やケガを抱えながらの出場は、選ばれた実力と体力がある者だけが可能なことだ。
さあこれで、残すはボストンレッドソックスとのワールドシリーズのみとなった。橘周は、2シリーズ抑え気味だったところから、リミッター解除して全力でぶつかっていく。




