第63話:橘周のシーズンオフで、つかの間の日本
橘周は、いきなりのシーズンオフに入った。それを有効に使わない手は無い。
左のアンダースロー橘周は、プレーオフが早々に敗退したことで、時間に余裕ができた。まず身体の精密検査を行い、異常無しを確認し、すぐさま日本に高井と向かった。
着いたところは、草津温泉。セキュリティのため高級旅館だ。同行者は、専属トレーナー高井とボディーガード2名。他に、湯布院も行きたい候補だったが、アメリカからの利便性を考慮して草津温泉にした。
そして、久しぶりに家族が集合した。父、母に加えて、横浜ベイスターズにドラフト1位で入団して、1年間プロ野球生活を過ごした弟の壮太郎も駆け付けた。
とにかくやることは、温泉に幾度も入りながらの身体のケア。それと弟含めての野球談議。
父親「周メジャー1年目、壮太郎プロ野球1年目お疲れ様」
周「ラッキーなことにこれ以上無い成績を上げられたよ。でもプレーオフ出場
できなかったのは尻切れトンボだったよww」
壮太郎「年俸40億?とんでもないな。俺は今年3勝だけだから来年も今年とあ
んまり変わらないな」
周「いやいや俺の19歳の時は、ダンスやってて野球選手ですら無かったぞ」
父親「下世話な話だが、年収は40億どころではないだろ?」
周「一応スポンサー収入が途中から増えて25億ぐらいかな?」
壮太郎「えーー!年収70億近いのかよ。宝くじどころではないよ」
母親「それでも調子の乗ったらダメだよ。いつまでも謙虚に」
父親「謙虚すぎて、面白く無いのもダメ。回りに気を遣わせ過ぎるもダメ」
周「へーへー、了解」
周「ところで、プロ野球1年目はどうだった?」
壮太郎「キャンプから1年長かった。今年は体つくりと投球の精度アップが目
標だったけど、3勝できたからまあましかな?」
周「スピードは上がったのか?」
壮太郎「まあね。155キロまで上がった。1年ちょっとで15キロあがったね」
周「そりゃすごい。やっぱり上から投げて違和感ないのがうらやましい」
壮太郎「来年は10勝したい。それと早く1億円プレイヤーになりたい」
父親「金、金と思うと、足元救われるぞ!」
壮太郎「へーへー、分かった」
橘周は、4日間草津温泉で養生し、その2日後にはアメリカに向かった。
11月は表彰とCM撮影が多いためだ。
表彰疲れ、CM撮影疲れが無いように注意して、12月からまた鍛える




