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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
Returned to the Dodgers!!!伝説の男が戻ってきた!
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297/304

第297話:ダブルヘッダーでの主役

その後5試合を消化。

橘周は、先発で2試合、代打で2試合出場したが、

7打数2安打2四球。


===

今日は、急遽ダブルヘッダー(1日2試合)が組まれた。

1試合目は、5回で1-8と大敗ペース。

6回に橘周が、今シーズンの初登板でマウンドに向かった。


しらけムードのドジャースタジアムが、ホットになる。

試合前に20球の軽めのピッチング練習をしただけなので、

肩ができていない。


そこで、遅玉勝負の試合にした。

とにかく遅い球中心のピッチングだ。

相変わらず肘の状態が、今ひとつということもある。


110キロ代のナックルに、100キロ代のスローカーブと

120キロ代の遅いシンカーを混ぜる。


橘周が、29歳~31歳の全盛時に投げていた、アンダー

スローからのライジングストレートの記憶が鮮明に

あるファンからすると、ショッキングな姿ではある。


7回にもマウンドに上がる。

ようやく140キロ代のストレートを2球混ぜたが、

遅い球中心のピッチングを続ける。

7回、8回を打者8人でなんとか無失点。


8回に登板したリリーフピッチャーも極力遅めの球を投げて、

結局試合は、2-8で敗れた。

「俺の遅い球攻撃が、2試合目に効果あるか?

 せこいやり方だけど」


===

そして2試合目。

果たして・・・相手バッターの何人かが、ちょっと

おかしくなっていた。

155キロ以上のストレートと高速スライダーに

タイミングが合わない。

「せこせこ作戦、半分成功だな」


しかし、この試合の主役は、DHで5番に入ったバッター

橘周であった。2打席目と3打席目の連続ソロホームラン

と、4打席目の走者一掃ツーベースで5打点を上げた。

ツーベースの橘周の後、神島ルカも2ランホームランを

放ち、子弟コンビでヒーローインタビューを受けた。

面白いやり取りに、大いに盛り上がった。


試合後

神島「1試合目の遅い球攻撃面白かったっす」

橘周「せこいけど、肩できてなかったし、仕方なくね」

神島「遅過ぎて、試合時間が長くなりましたけどね(笑)」

橘周「案外打たれないもんだとビックリしたな」

神島「俺も打ったのに、またホームラン数で負けてます」

橘周「ルカのノルマは25本だぞ。打率も2割7部な」

神島ルカ「へい!30本目指します。でも焦らず1打席

     ずつ楽しんでやります」


すごく充実していた。しかし、冷静に考えると

「結局1日で1勝1敗なんだよな。こんなんで

 満足してはいけないな」

シーズンはまだまだ長い。


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