第296話:ハムストリングの不調から代打出場を重ねて、やっと出た
開幕戦を橘周のランニングホームランで勢いづいて、
逆転勝ちしたドジャース。
しかし、2戦目のスタメンに橘周はいなかった。
激走によって、若干ハムストリングに違和感が
あり、大事を取った。
松村祐「昨日の走塁から、今日は1番に入るかもと
思ったのですが」
橘周「うん、今日全力疾走したら、ヤバそうと
思ってね。やっぱ歳だなあ」
松村祐「そりゃ、私の親と5歳違いですから(笑)。
でもそれでランニングホームランって
考えると信じられない」
橘周「奇跡のおっさんか(笑)」
「ランニングホームランは、昨日が最後かもな」と
心の中で呟いた。
しかし、年齢を重ねて、今まで経験をしたとのない
故障や痛みを感じるとショックである。
全ての人に起こることではあるが・・・。
第2戦は全休。第3戦と第4戦で代打出場したが凡退。
第5戦は宮脇修二が先発。橘周はやはり代打要員だ。
宮脇は5回1失点7奪三振と好投し、勝ち投手の
権利を持って降板。
次の6回2アウト1塁2塁で今日5番に入った神島ルカ
の打順。ピッチャーはサウスポーに交代した。
神島は、ここまで右ピッチャーには10打数3安打
だが、左ピッチャーには5打数1安打。
この成績以上に、ややサウスポーを苦手にしている。
ここで代打橘周。右打席だ。
「周さん、すみません。頼みます」
橘周は、代打を送られて悔しさもある神島ルカの
言葉に、敢えてうなづくのみで、
バッターボックスに入った。
初球はシンカーに空振り。
2球目は外角チェンジアップがボール。
3球目に強振した。
バックスクリーン右への3ランホームラン!!
外角寄りのやや甘いスライダーを前に打ち返して、
飛距離132mの特大弾。
5戦目でやっと、スカッとする当たり。しかも、
ゆっくりグランドを回って構わない当たり。
敵地の球場も騒然となった。解説者達も驚く。
「もうすぐ43歳の大ベテランの打球ではないな」
「見た目も姿勢も若いし、
本当は33歳ではないのか(笑)」
やはり人間、速く走れる者は若いのだ。
神島ルカ「さすがです。デカい当たり」
橘周「これでストレス発散できたよ(笑)」
松村祐「走塁とパワーは、まだ負けますね」
橘周「そういやさ、俺も祐もスイッチだから、ルカに
サウスポーの攻略の仕方教えられないんだよな。
その代わり、バッティンピッチャーしながら、
アドバイスすることはできるよ」
神島ルカ「お願いします。それほど苦手ではないですが、
やっぱり打ちにくさがありますかね」
宮脇修二は、橘周のホームランのおかげもあり、
今期初勝利をつかんだ。
翌日神橘周がバッティングピッチャーを買って出て早速
スライダーとシンカーを中心に投げた。
それに対してコーチがアドバイスをしていく。
ゆくゆくは、ライダー・ゴールドに代わってドジャース
の主砲になる可能性を秘めているから、育成に関わる
ことができると、橘周も嬉しい。
この日は、松村祐に対しても投げ込み、ピッチャー
としての調整を本格化した。
でもストレートは、スピード、キレともに今一歩だ。
でもどうにか148キロまではアップしてきた。
そろそろ今シーズンの初登板が近づいている。




