第294話:衰えを感じつつ、開幕を迎える
キャンプが始まって2週間が経過。
橘周の調子は、走塁とバッティングは昨年の90%程度。
守備の送球とピッチングは80%以下という感覚である。
若い頃の遠投130mの超強肩からは、衰えた感じ。
それでも正確な計測はしていないが、120mあるか
ないかで、外野手として充分に合格点ではある。
しかし、ピッチングでスピードが出ない。
ストレートの球速が、145キロがMAXである。
肘の調子と全体的な衰えが影響しているのだろう。
その影響でスライダー、シンカー等のキレもイマイチ。
2種類のナックルとナックルカーブは、まずまず。
そうした中、新加入の日本人神島ルカの練習
パートナーを務めている。当面ライダー・ゴールドに
代わってライトの守備につきそうなので、
一緒に練習しながら、多少のアドバイスをしている。
神島ルカは、191cm107キロ、右投げ左打ちの大型外野手。
将来性があるが、飛躍するか、埋もれるか・・・・
ある意味今年勝負である。
橘周は、新監督のウッドと協議をした。
ウッド「どうだい、ルカは?」
橘周「あまり私がコメントすべきではないですが、
有望だし、やる気に溢れています」
うまくスタートできるよう少しばかり助けたいと
思います」
ウッド「それはいいね。よろしく頼むよ。ところで、
シュウの調子はどうだ?」
橘周「正直、若干衰えを感じています。それと肘の
調子が70%というところです」
ウッド「じゃあ、ピッチングの出番は、昨シーズンの
最初と同様に、点差が開いている場面での
試し投げでいいかな?」
橘周「申し訳ないですが、それでお願いします」
ウッド「いやいいよ。ナックルの調子はまずまずだから、
ナックルを連発してくれれば、翌日に投げる
ピッチャーとのギャップが生まれて、
助かるかもしれない」
橘周「それなら多少は、役立つかもしれません。
スローカーブも交えて」
大敗している時に、リリーフピッチャーが、わざと
遅い球を多く投げて、バッターの調子を狂わせたい、
というちょっとだけずるい作戦である。
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オープン戦に入り、橘周は4番手外野手兼一塁手
控えとして、半分程度の試合に出た。
ホームランが出なかったが、22打数8安打4盗塁
とまずまずの成績を残し、
開幕メンバーに残ることができた。
打力が同じなら、守備と走塁に秀でた橘周は、
他の野手に比べて貴重な存在である。
特に守備は、時々人間離れしたプレーもするが、
まずミスをしない安定感と球際の強さが、かなり
高い評価を得ているのだ。
走塁も同様である。
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開幕メンバーが発表された。
2番松村祐、7番レフト橘周、8番ライト神島ルカと
3人の日本人が先発メンバーに入った。
また開幕投手には、橘周2世左のアンダースロー)
ミッキー・シュナイダーが選ばれた。
橘周と違い地上50cmから投げる速球派である。
150キロのストレート、浮き上がるライジング
カッター、シンカーが特徴である。
今年は12勝以上を目指している。
橘周43歳シーズンが始まった。




