第291話:兄弟の近況とつかの間の子育て
橘周の42歳シーズンはあっけなく終了した。
同じく、ヤンキースのエースである弟の壮太郎の
32歳シーズンもリーグチャンピオンシップシリーズ
で敗退して、終了した。
兄弟揃ってベスト4で散ったわけだ。
3日後、兄弟と橘周邸に滞在する高井の3人で、
オンライン会議をした。
壮太郎「疲れ取れた?」
周「まだまだ。今年は去年の倍疲れた」
壮太郎「1安打27人斬りってお年寄りにできる
ことじゃないな?」
周「おっさんって言えよ(笑)。自分でもびっくりしたわ」
高井「しかも使った球種が10種類って・・
いくら球種マニアでも」
壮太郎「それも凄いね。いくら飽き性って言っても(笑)」
周「スリークォーターに本格変更して、1年近くたって、
ようやくいろんなもんが馴染んできたからね。
とにかくバッターに最後まで慣れさせない、
予想を外すを徹底した結果さ」
高井「特に、無回転系の落ちる球3種類って痺れたわ」
壮太郎「俺もチェンジアップとスプリットの2つを
投げ分けるので精一杯なのに、ナックル2種類と
スプリットって前代未聞だよ」
周「これも指と爪と肌の全部を、丈夫に
産んでくれた母に感謝だ(笑)」
壮太郎は、今年で大型契約の5年が終了する。
5年総額350億の大型契約だ。5年104勝ととんでもない
成績を残した。しかもメジャー8年間で計163勝という
最近では考えられない好成績である。
しかし、ここ4年で28勝→25勝→21勝→16勝と凄い中
でも成績が落ちてきているのは事実。
高井「荘は次の契約どうすんだ?」
壮太郎「内緒だけど・・日本に復帰しようと思う」
周「まじか?メジャー飽きたんだな」
壮太郎「家族もそろそろ帰りたがっててね。確かに移動
と中5日にちょっと飽きた。シーズンも長いし。
1度中6日で投げられる日本もいいかなと」
高井「しかし、そんな年俸どこも払えんだろ」
壮太郎「1年限定のキャンペーンやらしてくれって
代理人に相談中なんですよ。そもそも来年
どっちでやっても活躍できるかわかりませんし」
周「そうだな。それがいいかも。俺も1年間の日本楽し
かったし、その後のメジャーも楽しいし」
壮太郎「移動が短い日本で、1年間色々勉強しなおして、
すぐメジャーに戻ってこれるといいと思ってる。
元気なうちに日本のファンの前で投げたいし」
周「同級生や親戚にいいとこ見せたいだろうし(笑)」
橘周は今年2年契約の1年目であり、元々2年目が
現役最後の可能性高いと考えていた。
壮太郎「周は来年とその次どうすんのさ」
周「後契約1年あるから、行けるところまで頑張るさ。
それで引退の可能性が80%以上かな。でも俺の場合、
来年まともに動けるかもわからん。
なんせ高齢者なんで(笑)」
その後橘周は、イベントとCM撮影をこなし、家族と
スタッフ等とともに、ハワイ島に飛び、バカンスだ。
11月後半からは、子育てと自宅トレーニングの日々。
妻のレイラ・ストームが復帰映画の撮影に入ったことで、
娘との時間が増えた。
大きな自宅の中には、常に他の誰かがいるとはいえ、
1日15時間以上娘が側にいる生活。
「いや、ひょっとして人生でダントツ充実してる!」
と毎日噛みしめていた。




