第286話:とうとう、全てのリミッターを解除したピッチングに突入だ!!
42歳橘周の野球人生集大成のピッチングが続く
5回表が終わっても0-0と、緊迫した試合展開が続く。
橘周は、マウンドに向かう前に、監督に声をかけられた。
「シュウ、まだ行けるか?」
「今日はまだまだいくらでも行けそうな気がします」
と力強く答えた。
5回裏のピッチングは、2種類のナックルとストレートに、
どうにか苦手なスプリットを混ぜた。
これで速度と落差が異なる落ちる球種を、3つ揃えたことになる。
ブレーブス打線に困惑が広がる。
「これはやっかいだ。ナックルが2種類あるだけでも
慣れることに時間がかかる。
その上スプリットと高めにキレのあるストレートが
混ざってくるなんて、過去に経験が無い」
6回も同様のピッチング。橘周は、もう完全にゾーン
に入っていた。
思い描いていた理想のピッチングができている。
疲れているはずだが、身体が動く。何より楽しい!!
6回を終わって、1安打10奪三振。
きっちり3人ずつ18人で終わらせた。
ベンチに戻ると、コーチから
「もう上がっていいけど、どうする?」
「いえ、ここからが本番のような気がします」
「それは凄いな。27歳のような体力だ」
未だ0-0のまま、7回裏のマウンドに上がる。
「よし、今までなんだかんだとリミッターが
かかっていたけど、今日その全て解除だ!」
速いナックルの後、外角高めストレート。
最速154キロでた。
続いて、右バッターの膝元にスライダー。
最後は、逃げていくシンカーでセカンドゴロ。
2人目は、ツーシームからのスローカーブで意表を
突いて追い込むと、速いナックルがファールになり、
最後は高めストレートで三振に仕留めた。
3人目は、スライダーと低目ストレートでサードゴロ。
縦横無尽なピッチング内容に、かなりの観客が
スタンディングオベーションで応える。
しかし、ブレーブスの継投に、ドジャースは
8回も0点に抑えられた。
そして、橘周は7回でお役御免と思われたのに、
8回もマウンドに向かう姿に、
再度スタンディングオベーション!
もう橘周を中心に、球場全体が劇場と化している。
セカンドを守る松村祐も痺れていた。
「しっかし、物凄い雰囲気だな。やっぱカリスマ中の
カリスマヒーローだな。このピッチングをすぐ
側の特等席で見られるのは最高だ」
「おっと、集中集中」




