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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
Returned to the Dodgers!!!伝説の男が戻ってきた!
267/273

第267話:今シーズン3勝目。ついに完全に無双状態に到達。

前回の登板では、8回1失点と好投した橘周。

今年4度目の先発登板で3勝目を狙う。登板間隔に中6日もらったので、肩と肘の疲れは取れている。


この日のテーマは、まず前回同様のピッチングができるか否か。

それと、スリークォーターにして以来、あまり投げていないカットボールに対するバッターの反応を試しつつ、武器になりそうならそのまま使うこと。


1回から3回までは、速いナックル、遅いナックル、ナックルカーブ、

ストレート、カットボール、シンカーの6球種で攻めた。


カットボールを使う意味合いは、バッターが打つ直前までストレートと思わせること。スライダーより曲がり幅は小さいが、約10キロ速いため、判断しずらい。


また速いナックルは、ナックルカーブ、スライダー、シンカーと近い球速なので、ストレートと速いナックルとの中間速度が、ツーシームだけであり、カットボールを有効に使いたかった。

果たして・・・カットボールは有効だった。


高めの伸びのあるストレートの下を振らないように意識するバッターは、カットボールが来ると、ボールの上側をボールがすり抜ける。それより遅く、反対に曲がるシンカーもある。そして、ナックル3兄弟にも翻弄される。


それでも最も効果的だったのは、今やメジャーリーグ全体でボールの回転数トップ5に入ってきた、フォーシーム(ストレート)である。かつてのライジングストレートとまではいかないが、それでもかなり伸びがあるストレートは、バッターにとって脅威えである。

この日のストレートは、回が進むごとにその伸びがアップしていき、空振り率50%超えという、驚愕の数字をたたき出した。


試合は8回1失点14奪三振で、フォームをスリークォーターに変更して以降、最も無双した内容だった。ここまで多彩なハイブリッド・ナックルボーラーは、間違い無く世界の野球の歴史上初めてだろう。


しかも、これで橘周は、日米通算199勝目だ。次はニューヨークでのヤンキース戦で、200勝をかけてマウンドに上がることになる。


そして、翌日のこと。ドジャース vs ヤンキースの第2戦目に、橘兄弟対決が実現する見込みとなった。


  橘周 vs 橘壮太郎だ!!


かつて、ヤンキースで先発とクローザーで兄弟リレーで沸かせてきた2人が、先発対決として相まみえる!


これまでもメジャーリーグで兄弟対決はあった。しかし、橘兄弟対決は注目度が桁違いに高いのだ。しかも兄の橘周には、日米200勝達成までかかる。

2人は、メッセージアプリで、互いの健闘を誓う短いやり取りだけ行った。


急遽両親と、橘兄弟と縁が深い高井が日本から駆け付けることとなった。


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