第244話:ワールドシリーズ第2戦は、延長戦に入って痺れる展開
橘周が三振して延長戦に突入し、その後DHのメリットを活かしてブルペンで投球練習をする。
11回以降残っているリリーフピッチャーは橘周以外はフェリックス・サンチェス含め2名。サンチェスは右のアンダースローで、橘周の'弟子'である。
サンチェス「調子はどう?」
橘周「まあまあかな。サンチェスはどうかな?」
サンチェス「俺、昨日打たれたから、延長はちょっとビビってる」
橘周「正直でよろしい(笑)。今日は大丈夫、なんとかなる!」
サンチェス「どっちが先かな?」
橘周「どっちにしろ、1人2イニングは投げないとね。」
橘周は、ドジャースが守りの間に、約20球を投げて肩を作り、その後ベンチまで走って戻った。これだけで、ワクワクするファンが大勢いる。
延長10回は、両チームともにランナー出すもののゼロに終わり、延長11回。
と、ここで アン・ルイス - 六本木心中のイントロが流れ、大歓声に包まれる。”1,2,3,4”のところで、ブルペンではなく、ベンチから橘周が登場する。
緊迫した空気を一変させるヒーローだ。
「盛り上がり過ぎだな(笑)。まあ落ち着いて行こう」と自分自身に言い聞かせる。
初球を縦割れシュートでストライク。こういう場面で初球に狙ってストライクが取れることが、橘周の強みの1つだ。
2球目は、外角ツーシームが外れてボール。
3球目。ライジングカッターを狙われていると感じた橘周は、ここでインコースにフロントドアとなるストレート。
橘周のストレートは、縫い目に指をかけて真横にスピンをかけて投げるから、真横にシュート回転する。
なので、クロスファイヤのインコースは一瞬デッドボールと思わせ、その後ストライクゾーンめがけて曲がる。
153キロのフロントドアは、かなりの威力があるのだ。
最後は、狙われているライジングカッターを高めボールに配して、空振り三振!!。
技術も心理戦も橘周が上回った。
2人目は、左バッター。初球は、先ほどのフロントドアと同じところに、今度はバックドアになるストレートでストライク。
ここも曲がり球を待ってる感じがしたのだ。
2球目は、またその待っているバッターから遠ざかる、ボールになるカーブで空振り。以前のパワーカーブというほどのギュッと曲がる感じではなくなったが、左バッターには今でも効果が大きい。
3球目は、インローに沈むツーシームで空振り。
3人目の右バッターには、思い切ってチェンジアップアップから入る。見逃しのストライク。
これで楽になって、ストレート、シュート、シュートで空振り三振。
三者三振!!
期待した通りの最高の結果に、ドジャースタジアムの観客がスタンディングオベーションで迎える。
監督のバークシャーから「悪いけど、次の回も頼むな。飛ばし過ぎじゃなかったか?」
「後1回は、なんとかしますよ」と答える。まあ確かに飛ばし過ぎではあった。
11回裏のドジャースの攻撃は・・・あっさりと三者凡退に終わった。
橘周が12回のマウンドに上がる。




