第243話:ワールドシリーズ第2戦は、接戦により・・・
ワールドシリーズ ドジャース vs レッドソックス第2戦は引き続きドジャースタジアムで行われる。
ドジャースは、本拠地で連敗することは何としても避けたい。
橘周は、今日は、2番DHで先発出場。リリーフ登板が有りと想定して、身体の負担を抑えるためである。橘周の守備力が使えないことは、マイナスになるため、首脳陣も悩んだ上での決断。
1回裏、ジャックス・ハーラン、橘周の連続ヒットで1,3塁の後、橘周盗塁。
その後ライダー・ゴールドとダリオ・ヴァレンティの連続犠牲フライ。
電光石火の攻撃で2点を先取した。
しかし、その後先発宮脇修二が2点を取られて同点。
膠着した中で、7回表のドジャース。リリーフのミッキー・シュナイダーが好投して、2奪三振。橘周2世のシュナイダーは、サイトスローより少し腕を下げて投げる左のアンダースローだ。メジャー昇格後より、ストレートと変化球のキレが増して、今や優秀なセットアッパーとなった。浮き上がるライジングカッター(スライダー)をマスターしたことも大きい。
7回裏には、橘周がスリーベースで、ドジャースタジアムのボルデージが上がる。1塁ベースを蹴った後の、加速する様は、他の選手では見られない光景である。
ドジャースは、2点を勝ち越した。
「よし、これで俺のピッチャーの出番は無いな」
と橘周は、やれやれと安堵した。
なんせ、ジャクソン・ヘイグ、タナー・ロックが8回と9回に登場するからだ。
厳しい展開から勝利して、1勝1敗のタイにし、フェンウェイ・パークに乗り込める。ワールドシリーズ経験者が、橘周以外に少なく、なんとなく浮足立っていたチームを勝利が落ち着かせてくれるだろう・・・
しかし、勝利は簡単ではなかった。
8回にはヘイグがソロホームランを浴びて4-3と、点差が1点。
9回、満を持して登板したタナー・ロック。
いつものように、カットボール、スイーパー、シンカーで2アウトにこぎつける。最後の打者は左バッター。
初球は、インローを狙ったカットボールが若干真ん中よりに。
バッターはカットボールを待っていたが、やや甘くなったことで、バットの芯で捉えられた。ライトスタンドのポール際へソロホームラン!!
後1人のところで、同点振り出しに追い付かれてしまう。
「なんてこった。相手の集中力が上回ったのか。仕方ない、ここからここから」と言い聞かせてバッティングに備える。
9回裏の攻撃は、最後のバッターは橘周。サヨナラ勝ちを期待して、球場全体が大いにざわつく。
しかし、三振!
試合は、延長戦に突入する。
ここで、三振した橘周は、ブルペンに向かった。投球練習をするため。
11回以降の登板に備えるのだ。
修羅場を潜り抜けてきた橘周の真骨頂は、気持ちを一瞬で切り替える能力が身についている。数秒間思い切りがっかりした後、すぐに気合を入れ直すスイッチを押す。強制的にメンタルの再起動を行うのだ。不調のPCを再起動すれば、再び快適に動き出すように・・・
この姿を見て、やや浮足立ったドジャースナインは、ホッとするというか、レジェント橘周は、まだ目一杯戦うつもりなんだなと、チーム全体に気合が入った。
さあ延長戦だ!




