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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
Returned to the Dodgers!!!伝説の男が戻ってきた!
245/263

第245話:延長で失点する厳しい状況からの・・・まさかのプレー

延長12回表、橘周がマウンドに上がる。

初球の縦割れシュートにバッターが反応する。ボールの上に当てて、1,2塁間に転がる。セカンドがギリギリ追いついたが、ファンブル。すぐさまボールを掴んで1塁に投げるが、セーフ。

ノーアウトでランナーを許してしまう。


次の左バッターの2球目は、横曲がりのカーブ。バッターは腕を伸ばしてバットの先端に当てて、三遊間のゴロ。ショートは2塁の間に合わないので、1塁へ送球する。がしかし、逸れた。ファーストの後ろに転がる間に、ランナー1塁3塁になった。

アンラッキーが2回続いてしまった。


大ピンチとなって、内野手とコーチがマウンドに集まる。

「すまない」

「俺もすまない」

「いや、あそこに打たれた俺がすまない。ここから頑張ろう」


次のバッターはファーストゴロが大きく跳ねた。ファーストがジャンプし、なんとかボールをキャッチし、ベースカバーに入った橘周にトスしてアウト。


しかし、1点を献上して均衡が破れた。


「あちゃー、微妙なゴロ3連発で1点取られた。ついていない・・・・でも、ここで抑えて逆転するぞ」自分に言い聞かせてマウンドに戻る。


以前1アウト2塁のピンチが続いている。


実は、サイドスローになった橘周には、アンダースローの時の浮き上がるストレート(ライジングストレート)が投げられない以外にも弱点があった。それはクイックのフォームで投げた時に、スピードのダウン幅が大きいこと。

だからランナーが出ると、バットに当てられる確率が上がってしまう。


ここで橘周は、盗塁されることを諦めて、セットアップモーションでしっかりと投げることにした。

気合を入れ直して、ギアを上げる。

ストレート、ライジングカッター、ツーシーム、縦割れシュートを全力で投げ続けた。

結果は、2奪三振で、12回を投げ終えた。


===

しかし、12回の裏に点を取らないと2連敗決定である。


1アウトからジャックス・ハーランがフォアボールで出塁。

ここで橘周。

ピッチャーは、高めの速球と、高速スプリットで攻めてくる。

このコンビネーションが橘周を攻略するのに有効との判断だろう。9回の三振もそうだった。


しかし、橘周はどんなパターンでもアジャストする能力が高い。

追い込まれて、高めストレートを強振し、大き目のファール。


次は、予想していたスプリットがきた。

低目をバットで拾い上げ、下半身のバネと、強い背筋と握力で振り切る。

打球は高く上がり、右中間方面へ飛んで行く。


大きいセンターフライと思われてたが、橘周の打球は伸びる!伸びる!

入った。ホームラン!!!


起死回生の逆転サヨナラ2ランホームランだ。


もみくちゃにされながらホームイン。


延長12回の死闘を、どうにかこうにか制した。

監督から「さっきは、シュウからピッチャー交代も考えたんだが、結果的に代えなくて正解になるとはね。流石だ。やっぱりスーパーヒーローだな。」

「いやー1点取られて悔しかったので、僕は再起動することができたよ。身体中がガーって燃えて(笑)」

「まさか、あの展開のあの場面で、ホームラン打てるなんてね。すごいよ!」


その後観戦していた、妻のレイラ・ストームが、頭をなでながら褒めてくれた。

これが今日の最高の瞬間だ!(^^)!

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