#7. 幕間 [けむにまかれて]
追跡者 御一行様side
本部を飛び立ち追跡を開始する。
本部のメンバーがあれほど危険視する存在だ、早急に捕捉しなければならない。
残留思念を辿って光速移動する。移動経路が直線的なうちは、追跡も簡単だった。
何故これほど「ヤツ」は方向を変えるのだ。目的はなんだ。
残留思念が強いために追跡自体は容易だが、目的が理解できず事前対応は困難だ。跡を追うしかない。
「ヤツ」は光速移動をしていないらしく、追跡を続けるうちに距離は縮み、漸く「ヤツ」の思念の色濃い惑星を発見した。
ここで捕捉する、そう決めて3手に別れ、惑星表面を探査する。ここは有機生命体の生息地、理由は不明だが「ヤツ」の思念が残る個体が散在していた。
それに思考を取られていた時だった。
惑星大気圏外に強烈な思念を感知する。逃亡!
しまった、逃した!
即時、サブ端末を呼び戻して光速で追跡を開始する。
今度は移動が直線的、これなら捕捉可能と判断して、一旦エネルギー補給し、「ヤツ」を一つの惑星に追い詰めた。
今度こそ。
だが。
その惑星を隈無く探索するも、「ヤツ」の残留思念以外、感知されることはなかった。
また、振り出しに戻ってしまった。
この追跡行は、永いものになる。
そんな不穏な予測が湧き上がった。
本作は、拙作『かみさまのおにわの、かたすみで』の『鬼ごっこの顛末』の補完にもなっています。
ここで「ヤツ」をロストした彼らは、探索範囲を広げざるを得なくなり、広範囲の探索のため光速移動を繰り返した結果、いわゆるウラシマ効果によって五億年近くもの間「ヤツ」の成長を許すことになりました。




