#4. ボッチ、花火鑑賞
コミュニティを飛び出しても、追手はすぐには来なかった。
あんまり飛ばすとおなかが減るので、ほどほどの速度まで落とす。
その代わり、足跡をたくさん残すことにした。
ふっふっふー、騙されるといいよ!
まずは初めに目指した紫の星雲に飛び込んで、ひとしきりガスの中をぐるぐる回る。
回る間に、4本の光線がやたらと視覚に眩しい星に目をつけ、今度はそちらへ。
次は、地味な暗黒物質の中を突っ切り、痕跡を残す。
星の密集した銀河を駆け抜け、端から端へ。
キラキラ、キラキラ、足跡を残すだけでも、数え切れないキレイなものが視覚を刺激する。
たっのしーーい!
そうやって、ふらふらと寄り道をしている時に見つけた真っ赤で大きな星。温度は他の恒星よりも低そうだけど、でも。なんか、ヤバそう。
まだ距離はあったが、視覚を研ぎ澄ませて拡大すれば、泡立つようにざわめく表面が見えた。
この大きさの星だ、何かあったら精神体とはいえ、影響があるかもしれない。
あわてて距離をとる。
そうしてどれだけ後退っただろうか、もはや赤い点にしか見えなくなったその星が、眩く膨れ上がった。
ひゃーーー
星の命が燃え尽きる。
すっすっすっ、すっごい!
あれだけ距離を取ったのに、押し寄せる光と衝撃。
ちょうどいいや、このままこの風に乗っていこう!
美味しいもの、それが目的の気ままな旅だ、風まかせでもいいじゃない。
次は何が見られるか、楽しみだなぁ。




