↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SIREN-裏社会の警告者-  作者: ルゥナ
第一案件 青少年暴力支配組織

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/25

月乃の本陣突入

「な、何だ!?」

「何の音だ!?」

「サツか!?」


 音に気付いた組員達が、音の発生源へと向かう。明らかに、ただ事ではない。

 音の発生源は、明らかに玄関だ。組員達はゾロゾロと玄関へと向かう。


 ーーーそこに広がっていたのは、想像し難い光景だった。

 完全に破壊された玄関の扉、その近くに倒れている守衛。しかも、守衛の顔面の損傷は酷く、死んでこそいないが完全に原型が崩壊している。


 一体、何が起きたというのか。本来ならば話を聞くところだが、こんな状態の相手が、何かを喋れるとは思えない。一同は、恐怖に包まれた。


「な、なんだよ、これ…!!」

「おいおい、いったい誰が…!?」


 組員達は、議論を交わす。しかし、答えなど出るはずもない。手掛かりが、あまりにもなさすぎる。


 ーーーその時だった。


「失礼します」


 落ち着いた、しかし冷徹な女の事務的な声が、玄関のホール内に響く。

 皆が視線を向ける。


 そこに立っていたのは、メイド服の小柄な女だった。


 組員達は、動けない。場にそぐわない女が一人、目の前に立っていることを認識するのにも、時間がかかってしまった。


「…さて…」


 そんな組員達の様子を見た月乃は、先程守衛に見せた黒い封筒を、再度取り出す。先程は笑われてしまったが、この状況で同じ反応ができるのか。

 ーーー見物である。


「この手紙に、見覚えはありますね?」


 月乃は敢えて、その手紙を組員達の前へと落とした。手紙は空気抵抗を受け、ヒラヒラと花びらのようにゆっくりと落ちていく。


 だが、その手紙を見た瞬間、一人の組員が気付いた。


「黒い封筒に、赤色灯と一つ目の…。まさか…」


 組員はそう言うと、カタカタ震え始める。

 ようやく、状況を理解したのだろうか。困惑の中に強い恐怖を宿した目を、こちらへ向けてきた。


「…SIREN…なのか…!?ハッタリでは、なく…!?」


 ーーーやはり、組織の頭から爪先まで、送った警告文はハッタリだとか、その類のものだと認識されていたようだ。二度も厳しい文面で送ったのにも関わらず、見る目のない輩だ。


「えぇ。手紙に記しました通り、『力をもって止める』ために、お伺いしました」


 月乃はそう言いながら、軽くスカートの裾を持ち上げ、膝を曲げて優雅に一礼した。いわゆる、カーテシーと呼ばれるお辞儀だ。


 まるで、お嬢様が礼を尽くして挨拶をするかのごとく丁寧に行われた、その行為。それが余計に、恐怖を煽ってしまう。


「…ふざけ、やがって…!!」


 だが、それが同時に、組員のプライドも刺激する。すでに、玄関ホールには少なくない人数の組員が集まっていた。


「この人数を相手に一人でやろうってのか!?無謀にも程があるぜ、SIRENさんよぉ!!」


 単独でやってきた、小柄な女に負ける。裏社会の男としては、極めて屈辱的な負け方をするなど、断じて認められなかった。ゆえに、組員達に撤退する選択肢は、なかった。


「…そうですか」


 組員がその気ならば、こちらも気遣いはいらない。月乃はゆっくりと髪をかきあげ、相手を見つめる。


 そして、月乃はその場で戦闘の構えをとった。


「参りましょうか。警鐘を聞かなかった者への、折檻のお時間です」


 月乃がそう言い終わる前に、組員達は襲いかかるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。