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SIREN-裏社会の警告者-  作者: ルゥナ
第二案件 人身売買組織

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15/25

囚われた商品の救済

 朴本は捕らわれていた被害者達を全員牢獄から連れ出し、ステージに戻ってきた。その陰には、朴本が暴れるまでステージ上でまさにオークションにかけられていた女性もいた。


「…何だ、あんたまだいたのか」

「あの…鍵の束が、落ちてました」


 女性がオドオドしながら、鍵の束を差し出した。それに対し、朴本は無言で見下ろした。


 どこで見つけたのだろうか。恐らく、司会者を殴り倒した時に、勢いで吹き飛んだとか、その辺りだろうが。

 そんなことを考えながら、朴本は鍵の束を見つめていた。

 静寂。女性が、気まずそうな顔をする。


「よく見つけてくれたな。助かる」

「…はい」


 朴本は表情を崩さないまま、差し出された鍵の束を受け取る。これが手枷や首輪の鍵だと言うなら、手間が非常に省ける。


「…首輪、私のはこの鍵で、解除できたので」

「そうか。なら、これで解除できるかもしれねぇな」


 そう言いながら、朴本は一人の青年の首につけられた首輪の鍵穴に、鍵を差し込んだ。


 カチャリ。

 その静かな音が、朴本の耳には、やけに大きく聞こえた。その音ともに、装着されていた首輪が、地面へと落ちた。


「…とれた…首輪が、とれた…」

「じっとしてろ。次は手枷だ」


 朴本は複数本ある鍵を、次々に鍵穴へと差し込む。すると、その中にある一本で手枷を外すことができた。


 ーーーよかった。朴本は安堵のため息を吐いた。いざとなったら、解錠を力尽くで行おうかと思っていたが、その必要はなさそうだ。


「解錠を任せても問題ねぇか?」

「あの…あなたは何を?」

「…サツに連絡するんだよ」

「警察?」


 青年達は、不思議そうに見つめてくる。まさか、自分が全部引き受けるとでも思っていたのだろうか。

 朴本は少し呆れたような表情を浮かべた。


「俺がやんのは、あくまでもテメェらの自由意志を確保することだけだ。サツに保護されたくねぇ奴は、名乗り出ろ。未成年者は保護してもらうが」


 朴本が懐から携帯電話を取り出しながら、確認を取る。だが、その場で名乗り出る者は、一人としていなかった。


 ーーーまぁ、予想通りだった。朴本は小さく息を吐きながら、警察へと電話をした。


 電話をしているその間も、様子は伺っていた。順調に、皆の首輪と手枷が外れていく。これで、本人達の自由が確保された。

 ーーーSIRENとしての役目は、ここで終わりだ。


「…さて、と…」


 長居する理由もない。警察への匿名通報を終えた朴本は、捕らわれていた被害者達に悟られぬよう、その場を静かに離れる。


 これ以上は、SIRENとして関わるつもりもない。この先を生きるのは、他の誰でもない、彼ら自身だ。


 何より、警察と鉢合って事情を説明するのも、SIRENの組員として自分の存在を嗅ぎ付けられるのも面倒だった。


「…あとはテメェら次第だ。せいぜい足掻くんだな」


 朴本はそれだけ呟くと、オークション会場を後にした。

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