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異世界のパチンコ店は一味違うようです  作者: ふぃず
店舗乱立編
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第三十三話 魔導遊技機ギルド

 魔導遊技機ギルドがエルランジに建設されて一カ月、ギルド内は賑わって――なかった。


 それには魔導遊技機ギルドの認知度や内容の不明さがある。

 さらに建設された魔導遊技機ギルドは前代未聞であり、現在手さぐりで運営している状態だ。

 まず、一般人の認知度でいうと『あぁ、あそこに何か建物出来たね。ギルド増えたんだな』ぐらいであり、ハデスに来ている常連ですら魔導遊技機関連なんだろうけど何が出来るの? というレベルだ。


 そして、中で何が出来るのかだが――。


 一点目としては魔導遊技機専門店の設立である。

 ハデスの独占形態であった魔導遊技機専門店をギルドに登録すれば他でも作れるようにするのだ。

 これは商人ギルドとも提携しており、個人ではお店を持てず組織でのみの登録である。


 二点目はブラックボックスであった魔導遊技機製作の情報開示だ。

 これによりどのように台を作成しているかを知ることが出来る。

 こちらも個人には明かされず台を作成できる資金力がある組織のみの登録だ。

 また、登録により開示された情報は機密扱いされ部外者に教えるとペナルティが発生する模様だ。


 三点目は魔導遊技機の販売だ。

 魔導遊技機の売買は今後ギルドを通じて行う事になり、それらは組織だけでなく個人でも購入可能だ。


 四点目、最後になるが魔導遊技機のプロ登録である。

 この世界では現在魔導遊技機のプロは一人しかいないが、魔導遊技機ギルドに個人で属し、知識試験や実技試験等を合格すればプロを名乗れるのだ。

 ランク分けがあり、下からD、C、B、A、Sとなっている。

 ちなみに登録すると全員Dから開始だ。

 例外として現在清龍のみがSランクを名乗ることが許されている。

 区分けとしてDランクは正直アマと変わらないレベルだ。

 登録料としてギルドで数枚の銀貨を払うだけの『自称プロ』である。

 Cランクに上がるときはハデスロでも使われている精霊水晶を用いて一定期間の間に数十万ゲームプレイし、なおかつ収支がプラスであればランクアップ可能だ。

 Bランクはそれに加え魔導遊技機の知識試験がある。

 ここまでくればプロを名乗っていても恥ずかしくないというレベルだろう。

 Aランクに上がるには知識試験だけでなく実技試験として目押しスキルの取得等の試験の項目が増える。

 このランクぐらいになると番組に出ませんかと声が掛かる予定だ。

 Sランクは魔導遊技機のイベントやその他の魔導遊技機に関わることで何か偉業を達成した者がなれるようだ。


 正直魔導遊技機はあくまでも『遊技』な為、そこまで積極的に登録しようという人はおらず、登録した人もまだCランクに昇格する人は出ていなかった。


 以上の四点が魔導遊技機ギルドで出来る事だ。

 なので冒険者ギルドや商人ギルドの様に毎日訪れるような必要は今の所無く、出来立てにも関わらず閑散としているわけである。




 そして今日――そんな魔導遊技機ギルドに一人の男が従者を伴い訪れる。

 恰幅が良くニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、指には黄金に輝く指輪が何個もはめられている男――この国の貴族であり、カジノの創設に多額の金を出資したタルスラ=レイモア伯爵である。

 タルスラ伯爵はギルドのカウンターに行き従者に指示をだす。

従者は指示を聞き、荷物の中から一通の紙を取り出すとカウンターにいた受付嬢に渡した。

それは魔導遊技機専門店出店の承諾書であり、商人ギルドの印は既に押されている。


「これがあれば店を持てるのであろう?」


「――これは出店の申し込みですね。少々お待ちください」


 承諾書を見た受付嬢は一言告げると奥へ引っ込み、ダンディな髭を生やした男を連れてくる。魔導遊技機ギルドのマスター――エヴァン=ハーロックだ。


「タルスラ伯爵様ですね、出店登録ありがとうございます。私はこのギルドのマスターでエヴァンと申します。只今承諾致しますので少々お待ちを――」


 エヴァンが丁寧に挨拶をするなか、タルスラ伯爵は挨拶等どうでもいいとばかりに急かす。


「ブホホ、早く登録をするのだ! 余を待たせる方が無礼であろう。さぁ、早く! 早くするのだ!」


「では、先に出店場所と遊技機を決めましょう」


「出店場所はカジノ区画、遊技機はスライムが光る奴と最終戦争とかいう奴だ! 後は適当に卸してくれ」


「本当にカジノ区画でよろしいので? 伯爵が出資しているカジノ、さらには本家であるハデスと客の食い合いになりそうですが……」


「余が決めたのだ! たかがギルドマスター風情で口を挟むな!」


「これは申し訳ございません――」


 ここまでの会話からエヴァンは頭を下げつつ思う――あぁ、この店と経営者は最悪だ、と。


「これからは貴族だけでなく一般市民からも金をとってやるのだ! ブホホホホ」


 下卑た笑い声を聞きながらエヴァンは受付を終わらせる。そして最後の質問をタルスラ伯爵へ投げかける。


「最後になりましたがこの店の名前はどうします?」


「もう余は決めてある! 『ダイア』だ。煌めく宝石と同じで余に利益をもたらす名前――良い名前であろう?」


 こうしてハデスに続く大陸の二店舗目――『ダイア』がオープンすることになる。


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