第十二章 メルビス地底 5
無線に向かって話す順平を皆注意深く見守った。数分後、無線を切ると、
「彼らの調査では、どうやらセルゲス達と新たに降り立った援軍部隊は合流を果たし、徒歩では無く車のようなもので全員が移動している模様で、その数は最初に居たノレッセと合わせると50人程度いる思われ、車のようなマシンは全部で12台。武器などが搭載されているかは不明のようです。そして、僕たちとは別ルートですでに要塞付近まで移動しているのではないかという事です」
そこで一呼吸置くと、さらに続けた。
「今後の作戦ですが、現在僕たちは、こちらに10名、あちらもレイニーさん、ロジャーさんを合わせると10名です。人数だけでも相手は倍以上。武器などもほとんどない状況では、挟み撃ちが成功したとしても太刀打ち出来ない可能性の方が高いと予測されます。」
「50人ともなれば、たしかに太刀打ち出来ないだろう・・・」
ウォーレンもそう言いながら頷いた。
「そこで、やはりこのまま逃げつつ地球からの援軍を待つのが最善と思われますが、なにしろ向こうは移動速度が速い上に、どういう装置なのか我々の動きを察知されているようです。」
「なるほど。と、なれば地球からの兵士たちの行動も把握されているのかもしれんが、まず、こちらを始末するために、あえて相手にしていないだけなのかもしれんな・・・。」
「向こうでも同じように見ているようで、背後を取っているとは言え、実際には気づかれている可能性の方が高いと・・・。ただ、ノレッセの目的が、青柳教授ということで眼中に無いのか、泳がされていると考えているようです。逆に言えば、いつでも撃退出来るという考えなのかもしれません。」
「では、どうしようと考えているんだ?」
ウォーレンと順平のやりとりを、早川達はただ、黙って聞いているより他なかった。ただ、これまで以上に不利で、危険が迫っているという事は理解出来た。
「一番良いのはひとつに纏まることなんですが、それについてシーバさんが良い方法があるという事です。それは、パウロさんに聞いたようなのですが、このメルビス地底から、シーバさん達がいる方へ抜ける道があるそうなんです。ただ、はっきりした地図がある訳でもないそうで、僕たちが見つけるしかないそうです。ただ、ここと繋がる反対側は、今シーバさん達が居る場所から近いようなので、そこから向こうでもこちらと合流するために進むという事です。」
「つまり、このままこの洞窟を進み、シーバ達と合流して、その後は再びシーバ達の案内で向こうに引き返すという事じゃな?」
サジが訪ねると、順平は軽く頷いて、
「そういう事のようです。すでにシーバさん達はこちらを目指して向こう側の入り口を発見し向かっているそうです。」
「では、我々も急いだ方が良さそうだな。質問は進みながら聞くとしよう。疲れているとは思うが、頑張ってもらいたい。少し速度を速めて進んだ方が良さそうだからな。」
それだけ言うとウォーレンは奥へと歩き始めた。慌てて早川たちはその後を追った。シーバ達と本当に合流出来るのか不安はあったが、かなりの速度でノレッセが接近している以上、同じ場所に止まっていては追いつかれてしまう。青柳の体が心配ではあったが、とにかく今は前へ進むしかなかった。




