第十二章 メルビス地底
「それにしても登りはキツい。これだけ長い意味がわからねぇ。」
階段を上りながら安藤が愚痴を漏らす。
「たしかに、無意味に長いですよね・・・」
早川が話を合わせると、ウォーレンが上りながら、
「いや、無意味かどうかはわからん。もしかすると、何か意味があるのかもしれんぞ。君たちの言うようにこの階段は長すぎる。何か仕掛けがあるのかもしれん。しかし、そんな仕掛けを活用することも無くここを後にせねばならんがな。」
サジもそれに付け加えた。
「ウォーレンの言う通り、仕掛けがあることはたしかじゃ。じゃが、残念ながらワシにも、それがどうすれば作動し、どういった効果をもたらすのかわからん。武器の装備が無いこの要塞は、きっと防御に優れておるはずなんじゃが・・・。それを調べておったmmじゃが間に合わんかった。」
少し悔しそうな素振りを見せた。ようやく早川たちは地上に出ると、サジが先頭になって東門を目指した。歩きながらサジはこの辺りの事を説明してくれた。
「この辺り一帯の高地をトゥールカ台地と我々は呼んでおる。そして、そのトゥール台地には亀裂が走っておるんじゃ。その亀裂こそ、これから進むべき道じゃ。うまく亀裂という地形を利用して東門を設置したもんじゃ。トゥールカ台地の地上からはかなりの深さにある。その為、東門を抜けると、まず、下ることになる。そういう意味でも、トゥールカ台地側からは、ワシらが進む道には入って来ることは不可能じゃろう。いずれ要塞が突破され追ってくることはあるじゃろうが・・・。そして、亀裂の先にはメルビス地底洞窟が広がっておる。ここは、噂では地底深くまで何層にも分かれておるという事じゃ。自然に出来た洞窟じゃが、その先がどこへ繋がっておるのかはワシにもわからん。」
そんな話をしながら歩いていると、目の前に東門が見えてきた。サジは近づいて、門を開いた。そして、全員が門から外へ出ると、サジは門の横にあるモニターでなにやら操作し始めた。
「これで、兵士たちもこちら側に来ることは難しくなった。じゃが、シーバなら操作可能じゃ。先ほど、パウロに兵士とはまだ合流出来ていないこともメッセージしておいたので、シーバがうまくやってくれるじゃろ。とは言っても門を破壊されてしまえば意味を成さんが・・・。ここからは当分、下り一本道じゃ。」
ここでは、順平が最後尾、ウォーレンとサジが並走して先頭を歩くことになった。サジ自身、訪れた事は無い場所なので、どんな生物が生息しているかもわからないという。しかし、見た所、周囲はゴツゴツと切り立った岩肌の崖が遥か上の方まで両側に伸びているだけで、幅も4~5メートルあるだろうか。
ここでも、ヒカリゴケのような植物のお蔭で足元などは比較的明るい。それでも、あまり遠くまでは見渡すことは出来なかった。
「急いだ方が良いのだろうが、先がどうなっているのかもわからないので、しばらくは慎重に進む。特に生き物の気配は感じられないが、皆、警戒だけはしておくように。」
ウォーレンが皆に伝えた。ここはウォーレンも慎重に注意深く先を見ながら進んでゆく。下りの傾斜は思った以上にきつく、先が思いやられた。




