第十一章 VS 26
さっきと同じように建物の前に立つと自動で扉は開いた。そして、下へと続く階段を、ゆっくりと下りた。
「あかん。この程度の階段下りるだけでも苦痛や。友香ちゃんは元気そうやけど、早川はんは俺と同じで今にも転げ落ちそうですやん。」
「はは、ほんとに全身が筋肉痛と言うより関節まで痛くて、時々電撃が走ったみたいに激痛が・・・それに引き替え友香は大丈夫そうだけど・・・」
「私も痛むわよ。そこまでひどくはないけどね。」
そんな会話をしながら下へと進む。しかし、なかなか階段は終わらなかった。
「おいおい!この階段どこまで続くんでっか!?ええ加減そろそろ限界でっせ!」
「長い・・・まさかこんなに下まで続いてるとは思わなかった。もう、ビルなら5階分くらいは下りたような気がするんだけど・・・」
「段差は約20センチってところね。今で200段だから普通に考えると40メートルは下まで来たことになるわ。10階分はあるわね。それに、まだ先が見えないわ。」
「10階でっか!そら疲れますわ。元気な時やったらそのくらい平気やけど、今はさすがにもう限界やわ・・・」
それから更に100段くらい下りただろうか。ようやく目の前に扉が見えてきた。
「やっと着いたようね。」
「まさか、あの扉の向こう側にまた階段があるとかないやろな!?」
「やめてくださいよ!もしそうだったら俺はもう歩けませんよ。」
しかし、扉の向こう側に階段はなく、今度は通路が奥へと延びていた。
「どうやら、ひとまず階段は終わったようね。」
通路の途中、右側と左側にそれぞれ二つずつ扉のようなものが見え、通路の先はT字になっており左右に伸びているようだった。
「とりあえず手前の扉から覗いていった方が効率は良さそうね。」
そう言うと、友香はさっさと扉の前まで歩き、まずは右の扉を開けようと、センサーに触れた。廃集落のコンピューターで登録したはずなので、もしかするとネットワークでここでも使えるかもしれないと思ったからだ。
手を触れると、センサー部分が光、扉はゆっくり上部に開放した。
「なんで友香の手で扉が開くんだ?」
「廃集落で皆、登録したでしょ?もしかしたら、ここでも大丈夫かなと思って、試したら開いたの。つまり陸や佐々木さんも大丈夫だと思うわよ。」
「そう言えば、そんなんしたような気がする。よう覚えてましたなぁ。なんか色々ありすぎて、すっかり忘れてましたわ。」
友香は部屋の中を見回すと、首を横に振って、
「ここには誰もいないわ。向かい側の部屋をお願い。私は先の方を見てくるわ。」
「ほな、俺は友香ちゃんと反対の方見てきますわ。」
友香と佐々木は奥へ歩いて行った。早川は向かい側の扉のセンサーに手をかざした。扉は同じように上に開いて早川は中を覗き込んだ。しかし、人の姿は見当たらなかった。部屋を出ると、友香が向こうで手を振って叫んでいた。
「陸!こっちよ!皆この部屋にいるわ!」
どうやら奥の右側の部屋に皆は集まっていたようだ。部屋に入ると、大きなテーブルが真ん中にあり、ほとんどの者は疲れたのか椅子に座ってぐったりしていた。




