第十一章 VS 15
しばらくは緩やかな上り坂を左右にくねりながら登り続けた。道幅は車二台がすれ違うことが出来る広さの所もあれば、一台がギリギリ通れるくらい狭くなることもあった。路面は平らで障害物も無く走りやすかった。早川たちの乗るバイクにはメーター類などは装備されていないのでどのくらいのスピードで走っているのかはわからなかった。
バイクの運転は苦手だと言っていた佐々木も慣れてきたようで、最初はふらつく場面も見られたが、今は安定して走行している。一番後ろには順平が、ウォーレンの後ろには早川、他の物は時々順番を入れ替えながら走行していた。
ようやく登りが終わり、下り坂になっていたのだが、一瞬早川はそれに気づかず、スピードが出てしまい、危うくコーナーでぶつかりそうになった。すると、後ろから友香が大声で、
「大丈夫!?スピードの出しすぎよ!気を付けないとこんな所で事故なんて起こせば大変なことになるわよ!」
「ごめん!下り坂に気付かなかったよ。」
早川はまだ心臓がバクバクしていた。しかし、皆に迷惑をかけるわけにもいかないので、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、再び速度を上げた。
その後は順調に距離を稼ぎ、岩山に囲まれた道を抜けた。抜け終えた所でロジャー達が待っていた。早川たちも一旦バイクを止めて、手招きするウォーレンの方へと駆け寄った。
「なんとか岩山を抜けたようだ。しかし、ここからはバイクで移動するのは不可能だ。左手に見える森に車やバイクを停めておいて、歩くことになる。右側に我々が来たのとは別の道が見えると思うが、兵士たちはあそこからやってくる予定だ。彼らの移動速度がどの程度かはわからんので、待ったりはせず、このまま進む事にする。サジの話ではここから一時間ほど歩いたところに、ホルキンス人が作った要塞のようなものがあるということだ。しばらくは平坦な道が続くようだが、最後だけは険しい道のようだ。それでは、各自適当な場所にバイクを置いたら出発する。」
それだけ言うと、ウォーレンが先陣を切って森の中へバイクを運んだ。早川たちも同じようにバイクを運び込む。一方、ロジャーは車なので、少し離れた場所まで移動して停車させた。
「このまま、しばらくは真っ直ぐ進む。そうすれば川にぶつかるそうだ。その川を越えてさらに進むと二本目の川があるようなので、そこを川沿いに左側に進む。ここまでが徒歩で30分程度ということだ。まずはそこを目指すことにする。では行こう。」
ここでは、ロジャー、ウォーレン、竹下、牧野の四人が最後尾に回り、道を把握しているサジとシーバが先頭になって進む事になった。ウォーレンも言っていたように兵士たちがすでにここを通過したのかは順平にもわからないということだった。無線で連絡は試みたが通じないそうだ。ただ、順平の考えでは、先に到着していれば、早川たちを周囲から警護するために合流地点で待機しているはずだという。つまり、兵士たちはまだ合流地点まで到達していない可能性が高いということだった。




