第十一章 VS 12
教授の話では、どうやらこの洞窟は身を隠すことは出来ても、奥への道は細く入り組んでいて逃げるには適さないということだ。そこで、予め奥の方へ進むべきか、それとも、バイクや車を使って移動するかで議論している最中だと言う。サジの考えでは、疲労が抜けきらない教授の事も考えれば、車やバイクでの移動が負担は少ないだろうし、地上を移動するのが理想だという。ただ、相手がどこに着陸するかわからないので、岩山の奥には車などでの移動は不可能で、目立ちやすい平原を進むことになり、危険も伴うとの事だ。
「この先はどこへ続いているんですか?」
早川がサジに訪ねた。
「しばらくは普通に歩いて進むことが可能じゃが、30分も歩けば、天井は低くなり、屈んだ状態で1時間近く進まなければならない。今のお前さん達の体力では過酷を極めることになるじゃろう。特にそこの二人は大柄故に尚更厳しいじゃろう。ただ、そこを抜ければ、かなり安全な場所へ抜けることが出来る。それに、それだけ過酷故に、奴らが追ってくるのも困難じゃし、まず見つからんじゃろう。地上の場合、他に身を隠せる場所までかなり距離がある。もし、ここに降り立つ連中もバイクや車と行ったマシンを持ち込んでいれば、簡単に発見される可能性もある。」
「他の道は無いんですか?」
「あるにはある。岩山を越えるルートじゃ。しかし、バイクや車は置いていかねばならん。それに山を二つばかし越えねばならず、体力的に厳しいじゃろう。」
「やはり、この洞窟を奥に進むか、地上を車などで移動するかの二択のようですね。」
皆、どちらが良いのか考えている様子だった。しかし、入り口からここまで来るだけでもかなり腰に負担がかかった事を考えると、とても1時間もあの姿勢のまま進むのは不可能に思えた。それは青柳ではなくとも厳しいだろう。そう考えると答えは一つだった。
「やはり屈んだ姿勢で一時間も歩き続けるのは不可能だと思います。ここは地上に出て、移動するのが妥当かと思いますが、皆さんはどう思いますか?」
「そうやな。ここまで入ってくるのも大変やったし、外に出て移動する案に意義はあらへんで!」
最初に佐々木が賛同した。
「私もそれが良いと思う。車にも運転手を除いて6人は乗車出来るし、バイクは小回りも効くから逃げやすい。それに車内だと、無線の音に気付かれる心配もないから連絡も取りやすいだろう。」
ウォーレンも同じ考えだったようだ。どうやら異論を唱える者はいないようだった。
「そうと決まれば、さっさと行動に移そう。問題は外の兵士たちだが・・・彼らの分までバイクは無いぞ。」
竹下に言われて、兵士たちの移動手段が無いことに気付いた。すると順平が、
「彼らは僕たちとは鍛え方が違います。サジさんの話では、地上から目指す場所は、最終的にはこの岩山を越えた場所と同じということですので、彼らには申し訳ありませんが、岩山ルートを進んでもらいましょう。先に行って、一番近くにいる山本さんに伝えてきます。」
それだけ言うとさっさと通路に潜り込んだ。
「よし、私たちもひとまず外に出ることにしよう。残念なことは、バイクを二台置いてきてしまった事だが、取りに向かう時間も無さそうだ。とにかく外に出てからバイクに乗る者を決めるとしよう。」
「了解!」
一行は急いで通路を進み地上へと向かった。




