第十一章 VS 8
早川たちは、ひたすら正面に見える岩山を目指し歩いていた。
「思ったより早く着いたわね。地球とは遠近感が違うのかしら?」
すでに時間の感覚は無かったが体感的に友香は違和感を感じていた。
「言われてみれば、そんな気もするね。それより、教授たちの向かった洞窟はどの辺りだろう。見回した感じでは正面には入り口らしき場所は見当たらないけど・・・」
「あそこに道が見える。」
そう言いながら、安藤が指さした。すると、真由が安藤とは逆の方向を指さして、
「あっち側にもあるわよ。」
と、言った。
「迷っている時間も無さそうだし、二手に分かれる?でも、何かあった時四人一緒の方が安全な気もするけど。」
友香が考え込む。
「根拠は無いけど、とりあえず右側に行ってみよう。」
「直観ってやつ?まあ、考えてもわからないし、陸がそう言うのなら異論はないわ。」
「俺も早川に任せる。」
「同じく。」
「よし、行こう!」
正直、直観というよりは疲れて考えるのも辛かったから、とっさに右と言ったのだ。二手に分かれて何かあるよりはマシかなと思う一方で、効率は悪いとも思った。そんな後悔を感じつつも早川は右側の道を進んだ。後から三人も着いてくる。その道は左右にくねりながら、少し上り坂になっていた。しばらくそんな具合に上り坂が続き、今度は三叉路に出くわした。
「弱ったな・・・さすがにどっちに行っていいかわからない。」
四人はその場に立ち尽くし、しばらく沈黙が続いた。まっすぐ続く道は細く、地面もゴツゴツしたこぶし大の石のようなものがたくさん転がっていた。そして、右側の道は100メートルほど平坦な道が続き、一瞬行き止まりにも見えたが、よく見るとほぼ直角に左側に人が一人通れる程度の小道が伸びていた。
一方で、左側は人がすれ違える程の広さの道が緩やかに右側にスローブしながら、伸びていた。先の方までどうなっているのかはここからでは見えなかった。それら三方向を何度も見返しながらしばらく考え込んでいた友香が、口を開いた。
「教授たちはバイクで移動したんでしょ?さっきの入り口付近にはバイクは見当たらなかった。ということは、バイクで先に進んだことになるわ。」
三人は黙って友香の話に聞き入った。友香が続ける。
「真っ直ぐの道はどう見てもバイクで進むには無理がある。右側の道も突き当りまで行くと、その先には行けないと思うわ。と、なると、バイクで進むには左側しか行けないと思うの。だから左側を進むのがベストだと思うんだけど、皆はどう思う?」
「なるほど、たしかにそうだね!」
「決まりだ!左側に行こう。」
早川も安藤も感心した様子で友香を見る。
「友香ちゃん凄いじゃない!きっとその仮説はあってると思うわ。」
真由も友香の説に賛同して、左側に進むことにした。緩やかに続くその道を10分ほど進むと、また、分かれ道が現れた。さっきの友香の説で考えれば、ここは誰もが左だと感じ、会話することもなく四人は左側を進んだ。




