第十一章 VS 7
「さっきは慌てて逃げましたが、あれは本当にノレッセだったんでしょうか?」
「せやけど、ノレッセと俺たち以外にこの星には誰もおらんやろ?いや、そう言えばおったな・・・ホルキンス人が。」
「そうなんですよ。遠目に見ただけなのでハッキリわかりませんでしたが、車なんかがあった方向とノレッセの連中が逃げた方向は逆でしたし・・・まあ、地底の複雑なルートはわからないので、近道が存在するのかもしれませんが。」
「どっちにしても、ここにおっても始まらへんし、引き返すしかあらへんね。」
「そうですね。ここから東に進めば森の方に出るはずなので森沿いを北上して近づけば、もし見つかってもすぐ森に逃げ込めますし、まずは気づかれないようにキャンプ地まで引き返しましょう。」
「せやな。それが一番良さそうやな!他の連中がどないなったかも気になるし、行きましょ!」
佐々木とレイニーは立ち上がると、まずは東の方角へ歩き始めた。
そして、西に逃げたウォーレンと順平は―――
「洞窟の入り口まで来てしまいましたね。」
「あ、ああ。それにしても、君はあまり息も乱れていないようだが・・・」
「学生時代は陸上部で長距離ランナーでしたし、今でも毎日走りこんでいますから、体力だけは自信があります。」
「それは心強い・・・それにしても、ノレッセの奴ら、どうやって我々より先に向こう側に回り込んだんだ。」
「はっきりと確認できませんでしたが、本当にノレッセの連中だったんでしょうか?」
「というと?」
「今仰ったように、我々より先にキャンプ地よりかなり向こう側に置いてあった車やバイクまで、いくらノレッセでも先に着くのは不可能かと思われます。移動手段は徒歩のはず。体格も見た目我々と大差ありませんでしたし、機動力に優れた生命体とは考えにくい・・・」
「しかし、他に運転技術を持った生命体がこの星にいるとは思えん。」
「ホルキンス人がいるじゃありませんか。」
「!?私としたことが、肝心な事を忘れていたようだ。どうしても戦闘を繰り返していると、攻撃される前に攻撃することや、逃げることを一番に考えて行動する癖がついてしまっているからな。」
「いえ、あの状況であの判断は正しかったと思いますよ。ここでいくら推測したところで本当の事はわかりませんしね。ただ、確認する必要はあります。どうでしょう?このまま教授たちの洞窟へ向かうことも出来ますが、一度キャンプ地に引き返してみては?」
自分の判断に苛立ちを隠せないウォーレンだった。地面を拳で力いっぱい殴りつけると、立ち上がり、
「そうだな、他の連中がどうなったかも気になるし、引き返すことにしよう。」
二人は再び、来た道を引き返した。




