第十一章 VS 6
友香の提案に少し息の整った早川は、
「たしか、サジさんの話ではキャンプ地から一時間くらいだったはず。とにかく急ごう!」
安藤達も、なんとか立ち上がると、
「方向感覚が麻痺しそうだ。目印になるものがほとんど見当たらないな。」
周囲を見回して呟いた。無我夢中で走ってきたから気づかなかったが改めて周囲を見渡すと一面草原だった。
「こんな場所で見つかったら、隠れる場所もないわね。でも、前方に岩山が微かに見えるから、あの辺りにサジさんの言っていた洞窟があると思うわ。」
真由がその方角を指さす。よく見るとたしかに岩山のような凸凹した線が見えた。
「結構あるみたいね。」
友香が歩きながら言い、速度を速めた。
「本当に一時間で着くんだろうか・・・」
「とにかく急ぐしかないな。」
四人はさすがにあの場所まで走り続けるのは不可能と判断し、足早に歩を進めることにした。
「何度見ても、不思議な星ね。草原が紫色だったり、向こうの方はオレンジ色だったり。」
実際には草なのかもわからなかったが、花でも無さそうだった。佐々木がこの場にいれば、何か解説してくれたかもしれない。そんなことを考えながら、ひたすら岩山を目指して歩き続けた。
一方、南に逃げた佐々木とレイニーは―――
「あかん!もう走れんわ!レイニーはん!無理や!」
「ぼ、僕もこれ以上は走れません・・・」
「ええか、いっせいのうで、振り返るで!いっせいのうで!」
佐々木の合図で二人は同時に振り返った。
「誰もおれへんがな!もっと早く言えや!」
誰に突っ込んでいるのかレイニーには理解できなかったが、とにかく車もバイクも、そして人の姿もそこには無かった。
「はぁ・・・はぁ・・・他の・・・みんなは・・・・・・無事・・・・・・なんでしょうか・・・」
安堵感からか、その場に崩れるように座り込んでレイニーが呟く。
「わ、わからへん・・・・・・とにかく、俺たちの・・・・・・方には・・・来てへんみたいや。」
二人はしばらく呼吸を整えるためその場に座り込んだ。




