第十章 地球からの・・・ 4
どのくらい眠っていただろうか。まだ、体がだるかったが、早川は体を起こして周囲を見回した。さすがに皆疲れていたのだろう。友香や真由も眠っているようだった。今のところ、異常もなさそうだったので起こしては悪いと思い、静かに立ち上がると、目を覚ますために、簡易流し台で顔を洗った。
顔を洗い終えた早川は大きく背伸びをして、体を回しながら、もう一度周囲を見回した。ここからでは、起きているのか確認できなかったが遠くの方でウォーレンとロジャーの姿が見えた。二人とも木に腰かけて座っている様子だった。
「さすがにあの二人も疲れたんだろうなぁ・・・。」
そんな独り言をつぶやきながら反対側に目をやると、こちらも遠くの方に竹下と牧野の姿が目に入った。どうやら反対側を見張ってくれているようだったが、座っているので起きているのか眠っているかはわからなかった。
順平の姿は見当たらなかった。
「まだロケットから戻ってきていないんだろうか?」
そういえば、簡易の司令室があったのを思い出して、そちらを覗いてみようかと思いながら体の向きを変えた時、ふと、上空で何か光る物体が視界に入ったような気がして、上空を見上げてみた。
「あれ?気のせいかな・・・」
目をこすって、もう一度空を見上げてみる。今度はじっと目を凝らして、注意深く観察した。
「やっぱり気のせいか・・・。!?やっぱり何か見える!?」
思わず声をあげてしまった。近くで眠っていた友香が目を覚ましてしまった。それにつられるように、安藤やレイニー、真由も目を覚ます。少し離れたところで寝ていた佐々木も起きてしまったようだ。
「どうしたの?そんなに大声を出して。」
まだ眠そうな友香が目をショボショボさせながら起き上ってきた。自分ではそれほど大声を出したつもりは無かったのだが、皆、こんな状況なので眠りが浅かったのか、それとも気づかないうちに大声を出していたのかはわからなかったが、どうやら皆を起こしてしまったようだ。
「ごめん。空に何か光るものが見えたから、思わず声を・・・」
「流れ星でも見たんじゃないのか?」
寝起きが悪いのか、安藤が不機嫌そうに話す。
「そうかもしれませんね。本当に申し訳ない・・・」
流れ星だったのかもしれない。考えれば地球よりはるかに空気は澄んでいるし、流れ星なんて、空を凝視していればたくさん見えたのかもしれない。
「まあ、過敏になるのもこんな状況じゃ仕方ないな。さて、顔でも洗って来るか。」
「私もそうしようっと。」
皆、一斉に流し台の方へ歩いて行った。早川はまだ、あれが流れ星だったのか疑問に思い再び空を見上げていると、誰かが走ってくる音が聞こえた。ウォーレンとロジャーだった。
「気づいたか?」
「え?何がですか?」
「さっき上空を光る物体が見えた。あれは間違いなくロケットか何かだ。どうやらこの星に向かっているようだ。地球からの援軍が到着したのかもしれない。」




