第十章 地球からの・・・ 3
「早く席について!ほら、ウォーレンさんにロジャーさんも!」
半ば強引に友香がウォーレンとロジャーも席につかせた。佐々木が捕まえてきたカパカパは見事にムニエルになっていた。米はレトルトの物をうまく調理してピラフになっていた。
「限られたレトルト食品や缶詰しかないから大したものは出来なかったけど、愛情込めて作ったから、いっぱい食べてね!」
友香と真由も席に着いた。
「頂きます!」
「い、頂きます。」
文化の違いからか、サジやシーバは不思議そうに眺めていたが、やがて着席し食べ始めた。
「美味い!」
佐々木が、一口食べて叫ぶ。
「本当に美味しいです。」
続けてレイニーも感想を言った。皆、凄い勢いで食べている。特にウォーレンとロジャーのスピードは半端なかった。早川たちよりはるかに疲れていただろうし、ほとんど休んでいる姿も見ていない。最初は敵なのか味方なのかもわからず、素直に信じてよいものかと考えたこともあったが、もし、ウォーレンやロジャーがいなければ、皆、やられていた可能性が高い。口にこそ出さなかったが、早川は無事地球へ帰ることが出来た時には、必ず感謝の気持ちを告げようと思った。
「やはり地球人が作る料理は美味い!1万年ぶりだからな。」
竹下と牧野も、やはり地球の味が恋しかったのだろう。あっという間に食べ終えた。
「ご馳走様!」
「すごく美味しかった!」
まともな食事を口にしていなかったのと、これまでの緊張感、そして、疲労が一気に吹き飛んだ気がした。5分と経たないうちにすべての料理を平らげてしまった。
「ちょっと、ちゃんとよく噛んで食べた?皆、早すぎよ!」
「そういう友香も平らげてるじゃないか!」
「だって、凄くお腹が空いていたんだもの・・・それより、各自食器は簡易流し台に持って行ってね。そのくらいは手伝ってもらわなくちゃ。」
「了解!」
皆、自分たちの食べた食器類を流し台へと運んだ。そこでウォーレンが、
「皆、疲れているだろうから、しばらくは各自休むことにする。部屋で休むなら今の内だ。いつ、また奴らが襲ってくるかもしれんからな。私とロジャーも少し休ませてもらう。と言っても、私たちは、君たちよりこういうことには慣れているので、その辺で仮眠をとることにする。幸いにも地球からの兵士達が周囲を見張ってくれているから、何かあってもいきなり襲われることはないだろう。」
それだけ言うと、一番襲ってくる可能性の高い、洞窟の入り口側へ向かってロジャーと歩いて行った。
「教授はとにかく、部屋で休んでください。今のところ、大丈夫ですから。倉本さん、教授を部屋までお願いします。」
「わかった。連れて行こう。」
倉本が教授を説得し、部屋まで連れて行ってくれた。そのまま倉本も自分の部屋へと入っていった。
「さて、俺たちは一応、何かあっても大丈夫なようにこの辺で休むとするか。順平君もそろそろ戻ってくる頃じゃないのか?地球とは連絡が取れたんだろうか・・・」
安藤は、地面に寝そべった状態で話していたが、早川がそれに答えようと振り返った時にはすでに寝息を立てていた。
「よほど疲れていたんだね。安藤さんも・・・」
「そうでしょうね。僕たちも少し休みましょう。こんな状態では、戦うにしても足を引っ張るだけですから。」
レイニーも部屋には戻らず、地面に寝転がって目を閉じていた。
「友香と、真由さんはどうする?部屋で休んだ方がいいんじゃないか?」
「そうね。私はともかく、真由ちゃん疲れたでしょう?」
すると、首を横に振って、
「これくらい全然平気。まだまだ全然大丈夫よ。友香ちゃんこそ、休んできなさいよ。」
「二人とも頑固だね・・・」
「陸こそ、もう目がうつろよ。さっさと休みなさい!」
「俺は全然・・・」
そんな他愛のない会話を続けていると、急に睡魔に襲われて、意識を失った・・・




