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第73話 グラナド家の炎上フラグ

目を白黒させてる領主様をよそに、クラリッサ様が歩み寄ってくる。当然、無表情で。


しかられちゃうかな?連れてくるんじゃないって。精霊様の所業の程は、大人の貴族には、よく知られてるみたいだし。


「お久しゅうございます、精霊様。王妃様のところからお姿を消した後、王妃様は酷く寂しいご様子でいらっしゃいましたよ。もし、御心に沿うようでしたら、王妃様のところにもお立寄り下さいませ」


ん?何、この顔見知り感……。

クラリッサ様、アマテラスに会ったことあるの?

ていうか、この言い分……。


クラリッサ様、王妃様と知り合い……?!

しかも、結構親しい…。

ひょっとして王妃様の元側近…?

マリーちゃんのポジションだったのかな?


グラナド家の本体は領主様ではなく、クラリッサ様なのかもしれない。ならば安泰だ。

クラリッサ様は不正など許すはずかない。


「この度は、我が娘をお気に召して頂いたのですね、ありがとう存じます。利発で良い娘です、お見守り下さいませ……」


……前言撤回。今まさに、他所の娘を自分のモノにする発言。屋敷燃えませんように。


アマテラスはフードから跳び下りて、クラリッサ様のとこに行き、じゃれついてる。

お腹見せるとこなんて初めてみたよ。すげぇなクラリッサ様。

ひとまず、任せておいても大丈夫そうだ。


「領主様、演習用の剣を作って頂けるとのことでしたが、わたし、ありものでも構わないのですが……」


魂抜けたみたいだった領主様に、霊魂が戻ってきたようだ。急にシャキッとした。


「あ、ああ、それなんだがな……」


それを聞いて歩み寄ってくる、ゴリラ(グラッドさん)、ロリアン(まとも)、ノーマン(変態)。メモしないと名前忘れそう。

他にもゴリラいるし、名前紛らわしいし。


「君には、体格と剣の振り方に合った武器を作るべきだと、進言したのだ。まぁ前の詫びもあるが…」


ゴリラ隊長、鬼神丸国重の事、まだ気に病んでたのか。わたし忘れてたよ。ありがたくはあるけど、いいの?


「ルナちゃん、多分、使う物にこだわりがあるタイプでしょ?適当に選んで使うのは逆に危ないんじゃないかな?」


ロリアンさん、そんなに長く一緒にいたわけじゃないのに、ちゃんと見てくれてたんだね。ほっこりしちゃうじゃん!


「ル……、美少女剣士は、片側の刃しか使わないよね……、ぃぃ…。そういう剣技…、なら片刃で、振り方からすると、少し反りがあって、切れ味を重視する物の方がいい……。うん、君にならその得物で切られてもいいよ」


ノーマン、ストーカーのレベル超えてるよ?

言ってる事は、まともだけど、何か、脳内までハッキングしてない?

世の少女に手をかける前に、わたしが斬ったほうがいいかもしれない。覚悟を決めなければならない日は近い…チェストゥッ!


「わたしも何がいいかはわかりませんけど、お気持ち嬉しく思います」


領主様は、マクスさんを呼んで、鍛冶師に都合をつけるように指示した後、わたしに向き合って言った。


「最高の物を用意するからな!ルナ。この調子なら演習、それからあと一つ二つ、何かに関わば、グラナド家は侯爵への道も見えてくる。その時に下げている武器にも目が止まれば、武器生産にも名が上がるからな!」


……。

グラナド家、燃えるかもしれない。

クラリッサ様、頑張って……。


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