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第67話 ローゼリア王国薩摩藩邸

剣術授業が終わり、レイティシアちゃん、マリーちゃんと合流して、昼食へ。

道中も、食堂でも、平民女子ーズがわたし達を取り囲んでいる。話しかけてくるわけでもなく、ただ見つめているだけ。

なんだこれ?


護衛のタカラジェンヌ達もなんだか気になるみたいでソワソワしてるよ。


「あら〜、ルナがまた何かしたのかしら?ふふふ♪なんだか楽しいわねぇ」


レイティシアちゃん、なかなかに図太い。

こんな状況、よく楽しめるね。


「剣術の授業で、少しアドバイスをしただけなんですけど……」


転生先で示現流再現!なんてふざけてたら、ホントにそうなってしまったなんて言えない。

平民女子ーズ、みんなちょっと目付きが変わっちゃったよ。

戦闘民族にしてしまってないだろうか。


「ルナがいろんな頼みを断れないのはわかるけど、無理しちゃだめよ?」


はぅ!マリーちゃん、優しい。


「大丈夫です、マリー様。できる範囲で留めてますので」


マリーちゃんに笑顔で返す。

あれ?ちょっと不機嫌になった?

唇が少し突き出て、頬膨らませたよ。


「……様、ねぇ…」


あ!そこか!いいのかな?まだ爵位貰ってないけど。


「えーと、お気遣いありがとうごさいます。マリー」


上目遣いで様子を伺う。

表情がほどけ、花が咲いたような笑顔になった。

鼻歌が聴こえてきそうなくらい、上機嫌になったよ。よかった。


「あら?マリーのこと、呼び捨てするようになったのね?じゃあ二人とも、私の事も、レイティって呼び捨てにしてちょうだい?」


それは無理!!


マリーちゃんと一緒に、お仕えする間柄になりますからと、丁重に辞退させていただいた。



午後の授業は何事もなく過ぎていく。

最後のコマは、『伝達』ってあったはず。

なんだろう、ホームルームみたいなやつかな?


「マリー、『伝達』ってなんですか?」


小声で聞いてみると、マリーちゃんが顔を寄せて囁いてくる。


「学院の行事とか、進級とか、そういう事についての指示事項があったりするやつね。たまにクラスでの話合いもあったりするわよ」


なるほど、ホームルームだ。


暫くすると、教官が入ってきた。

リーンさんだ。溶けた状態から戻れたらしい。

教壇に立つと、凛とした声で話し始める。


「来月に行われる実地討伐演習について説明します」


実地討伐演習?!

なにそれ、物騒!


「期間は、二泊三日、野営になります。天幕、食料は学院で用意します。他に必要な物は各自で用意するように。

それから……」


滔々とリーンさんは語る。

なるほど、教官の安全管理のもと、討伐の経験を積ませるのか。

確かに平民女子ーズの学院卒業後を考えるとそれは必要なことかもしれない。


「それから、武器は家で使っているものがあるならば持参してよろしい。無い者は学院から貸し出します」


んー、木刀……はダメなのかなぁ…。借りるか、それかグラナド家が準備するとかいってたから、相談してみるか


「何か質問は?」


そこで平民女子ーズの一人が手を挙げた。


「どの魔獣が相手になるのでしょうか?!」


リーンさんは一瞥して答える。

溶けてたときとは違って、クールビューティ感あるね。


「行先は農地です。ですので、ホーンラビット、グラスラットあたりになるでしょう。まれにブッシュウルフが出ますので、油断しないこと」


質問した女子が、拳を握りしめ、プルプルと震え始めた。

恐怖?……いや違う、あれは、怒りだ。


「農地を荒らす獣ども……」


あ、農家の出身なのかな?

そりゃ怒りもするよね。


「駆逐してやるッ!みんな、やるよ!チェストーッ!」

「「「「「おお!チェストーッ!」」」」」


きゃああああああ!!

こんなとこで、薩摩藩士にならないでぇ!


ほら!リーンさんのキャラが解けかかってるし!

男子ーズどころか、貴族組も引いてるから!


平民女子ーズのちぇすと怒号が収まらぬなか、リーンさんがジト目でわたしの方を見ている。


わたしのせいじゃないよ?!

いや?わたしのせいなのか?

そう言えばジト目キャラってこの世界で見たことないね、あは!


「ルナさん、あとで教官室に来てください」


ああああ、また呼び出し……

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