第65話 育成パート
一分ほど、誤って別作品を掲載してしまいました。
その間に読んでしまった方、混乱させて申し訳ありませんでした。
ここは御鈴廊下か、それとも花魁道中か……
女の子達を引き連れて歩くなんて初めてだよ。
まあ、みんな着物じゃなくて剣士服だけど。
あああ、周りの視線が痛い……
そして視線で、走馬灯が回る……
視界が揺れる……、あれ?
何、今の。
昔のテレビの電波悪い、みたいな。
気のせいか、疲れてんのかな。
うん、そうに違いない。猫とダイアのせいだ。
今も頭ピリピリするし!
ようやく剣術演習場。
……いるな、ゴリラが。
なんだっけ名前。
ライディーン?雷電?配膳?そんな感じだったと思う。まぁいいか、ゴリラで。支障はない。
「きたな、皆、では最初は素振りからだ。各々、自分に合った木剣を持って始めなさい」
こっち寄ってきたら全力で威嚇してやるんだから!がるるる……
女子ーズで固まって木剣を取りに行く。
ねぇ、みんな固まろ?わたしだけ先頭にしないで?
みんな木剣を持ったところで、素振りを始めようとすると、女子の一人が聞いてきた。
「ねぇ、ルナちゃん。振り方、教えてくれないかな?教官、みんな教え方違って、何がいいかわかんないのよ」
えぇ…。教官…、教え方統一しようよ…。
まぁ、貴族は家にそれぞれの教師がいるのかもしれないし、流派?的なので縛られてるのかもしれないけどさぁ。
「えーと、みなさんは剣術、必要なんですか?騎士目指すとかじゃなければ、適度な運動くらいで済ませてもいいと思うんですけど」
そう、ずっと疑問だったのよ。
魔法適性ないから、魔法演習に参加しないのはわかるんだけど、みんな剣術する必要なくない?って。
「やっぱり、下町とか、商人として旅するときとか、農作業のときなんかも、魔獣出ることあるし、安全じゃないからね。自営のためには必要なのよ」
あ?!そういうもんなのか。
なんか、村ではパパばっかり魔獣退治してたから、役割分担あるもんだとばっかり思ってたよ。
そういえば、パパ、凄腕ハンターって言われてたね。
「んー、それじゃあ……わたしがこれならっていうのでよければ……」
それぞれ強くなれば、わたしを盾にすることもなくなるでしょ。ちゃんと隣にならんでキャッキャしたいから、みんなに強くなってもらおう。
何がいいかな……。あ、あれなら…。
「えーと、皆さんが剣術を必要な時って、きっと、同じ相手っていうことは無いはずなんです。殺るか殺られるか的なかんじ?なので。」
こらこら、これだけで引くでない。
「つまり、一芸に特化しても、倒してしまえば、ネタがバレなくて、相手にとってはいつも初見となります。なので、一撃で確実に仕留める!という考えの振り方にしましょう」
右手で木剣を高く掲げ、左手を添える。
左足を一歩斜め前に出し、地面を踏みしめる。
「構えはこうです。この構えから一気に振り下ろす。一の太刀を疑わず、二の太刀要らず、先制の一撃で仕留めることを旨とする流儀」
右足で踏み込むと同時に、思いっきり振り下ろす。
空気が木剣に切り裂かれ、悲鳴を上げる。
「シゲカタ・トーゴーを祖とする流派、薩摩示現流です」
女子ーズが、キョロキョロしながら、でも、構えを取り始める。
意外と素直だね。誰も疑わないや。
「振り下ろすときに、ちぇすとーって声を出すとさらに威力が増すっていう噂があります♪」
みんな躊躇してる。
そらそうだよね、ふざけすぎたかな?
まあ、でも、ちょっとくらい意趣返しさせてよ。
「さぁ、張り切って、どうぞ!」
女子ーズに取ってはそれが号令になったようで、一斉に振り下ろした。
「「「「「「ちぇすとーー!」」」」」」
響き渡る甲高い、でも力強い声。
振り下ろした剣が空気を裂く。
残響が余韻となって消えていく。
男子ーズとゴリラが、びっくりしたように一斉に振り向いた。




