第56話 謁見、そして裏ルート
引っ張られるように謁見の間に向かうわたし。
王宮ってどこもかしこも豪華だね。
でも、アニメで見たような、バロック風の音楽はなってない。そりゃそうか。
脳内だけで鳴らしておけばいいや。
それにしても王宮内は警備が厳重。騎士さんがいっぱいいるよ。暗殺未遂事件あったからか、それとも、いつも厳重だから外で狙ったのか。
チラチラ見られてる。仕方ないよね、成人もしてない小娘がウロウロしていい場所でもないしね。
そしてたどり着いた、大きな扉。
こういうのって演出だよね、偉大さをアピールするやつだ。
「グラナド伯爵、ならびにそのお付きのルナ、到着しました」
門についてた騎士さんが声をあげて到着を告げる。留め金が外れる音とともに扉が開いていく。
……ヤバイ。なんかいっぱい並んでるよ…?王様だけじゃないん?
領主様に連れられて、歩いていく。
ジロジロ見られてるよ……
やめて?みないで?小市民だから、こういうのは慣れてないって!
王座の手前で膝をついて顔を伏せる。
あれ?これ裁き受けるみたいな姿勢?
わたし的には、あながち間違ってもないんだけどね。
市中引き回しのうえ磔獄門とか言われちゃう?
お白州にいる気分だ。
「顔を上げよ、ルナ」
ははぁ〜、お奉行さまぁ〜
ってふざけている場合ではない。これからが勝負なのだ。
見上げると、王様とたぶんその奥方様が並んで座ってる。その横に文官風の人。不審者はいない。よかった。
「こたびのそなたの献身、まことに見事である……」
長い……。話、長いよ……。
虚無モードになるのはさすがに不敬よね?
いや、だから昔話しされてもさ!早く要件を!!
「……であるからして、功績に報いるために褒美を取らそう」
きた!ここだ!
「恐れながら陛下、一つ発言をお許し頂けますでしょうか」
王様が軽く眉をあげる。ふむ、と一息。
「許そう、なんだ?」
よし、ここが正念場。
「今回、わたしの成した事は、領主様に命じられてのことにございます。お茶会の場にて、いかなる害悪からも、王女様を守れと。微力ではありましたが、護衛の方のおかげで任を果たすことができました。それについては既に領主様から過分なほどにお褒めの言葉をいただいております」
わたしの功績じゃないし、もう、わたし自身は褒美は貰ってるってことにして……
「ですので、功績は全て、領主様、グラナド伯爵様にお譲りしたく存じます」
こんな感じでどうだ!!
裏ルート、来い!
王様は文官の人と話してる……
ちょっとこの空気、いたたまれない。
領主様も何か話して?
「全て、は無理だな。法として」
ダメだったかー!
折衷案!プリーズ!




