第53話 走馬灯ちゃんの目論見
乙女の尊厳は守られた……
あぁ、なんと清々しいことよ。先程までの危機感が嘘のようだ。
まあ、ホントの問題は何も解決してないが。
お花を摘みながら、今の状況を考える。
えーと、騎士爵からの王女の従者、そして男爵……。無理だと思うよ?そのあとダイア・セイクムという不審者もついてくるんでしょ?
務まるのせいぜい、従者までじゃないかなぁ……
そして、レイティシアちゃんの婚姻とともにお役御免になって事務職に、っていう裏ルートないかなぁ……
ないよね、そんなの。
お花摘んでばかりもいられない。
そろそろ戻らなきゃ、と一息ついた時。
天啓……
功績譲りってなんか本で読んだな……
そもそも、グラナド家の野望は、家の格を上げる事だ。わたし自身が偉くなる必要はない。
あくまで、『グラナド家から派遣されている者』が功績を上げ、家に貢献したという形にして、功績自体は家の物にしてしまえば……
いける……?
グラナド伯爵に相談だな!
これ以上は考えてもわかんないし。
考えるだけ、走馬灯の無駄遣いだ。普段から無駄にしかしてないが。
それにしても、リラックスしてる時にアイデア浮かぶってホントだね!
乙女の尊厳が頑張った甲斐があるというものだね。
鼻歌を歌いながら、部屋にもどる。
「お花摘みから戻りました。失礼しました」
「ルナ!無事なのね!」
部屋の中に、マリーちゃんが増えてた!
おお、マイエンジェル。あなただけだよ、厄介事もってこないのは!
「ご心配をおかけしました。平気です、マリー様」
手も痛くないしね。……ん?なんで?
あれ?矢を掴んだ手、少なくとも火傷してたよね?
左手見ても、何の跡もない。
え?あれ?治療受けてないよね?
魔法見れるかと思ったのに?
「多分、ダイア様が治したと思うわよ、ルナ」
挙動不審なわたしを見て、レイティシアちゃんがそう言った。
なんてやろうだ!魔法かけるのも、許可とってからやんなさいよ!
まあ、ありがたいけれども!
それにしてもいつの間に魔法使ったんだ、わからなかったぞ!
まぁ、済んだものは仕方ない。
そのうち見る機会くらいあるだろう。マリーちゃんも使えるみたいだし。
「じゃあ、私は戻るわね。ルナ、ここでしっかり休むのよ」
レイティシアちゃんが部屋を出ていった。ダイアから救ってくれてありがとう、できればルートは確定しないでください。
部屋にはマリーちゃんと2人。せっかくの気の置けない間柄だけの時間だ、さっきのアイデア聞いてもらおう。
「マリー様、功績譲りってできるもんなんですか?」
「功績譲り?」
むむ、一般的でないのか。
「今回の件で、わたし抱えきれないような褒美が与えられるみたいで、潰れそうなんです。グラナド家にその功績をそっくりそのまま譲ってしまえば〜って思ったのですが」
頭に手を当てて考え込むマリーちゃん……
ラインの綺麗な眉頭が歪んでる。
さぁ!答えは!
ファイナルアンサー、どうぞ!!




