第51話 迫りくる危機
なんだよ!なんでだよ!
こういう甘くて特別なシチュエーションは前世できてくれててよ!もしくは今世でももっとそれなりの年齢になってからくるんだろ?普通は!ファンタジー的には!
私にはルカがいる……ルカが……
くぅぅぅぅう!目の前に!甘い!色気漂うイケメンがッ!
クッ!ころせ!
これが、あの、有名な、『他担狩り』かッ!
思わず、自分の身体を巻く掛布を強く握りしめる。
え?そんな気にするようなプロポーションじゃないって?余計なお世話だ!
「君の髪……亜麻色っていうのかな…。火属性と雷属性の色…。瞳は灰色っぽいけど、少しだけ水属性の青…。すごいね、君は俺の目を楽しませてくれる……」
おいおい!えらく個性的な褒め(?)文句だな!全然良さがわかんないぞ!
こら!顔を寄せるな!寄せないでってば!お願いだから……。わたし…困る……。
「それよりも……なんだろうね…君は……。偽っている……いや、何か混じって……違うね……。巻き込まれた?……あ?!ああ……、なるほど……そうなのか……」
え?なに?見通さないで?
勝手に納得しないで?
何わかったの?走馬灯?転生?ちょっと!
トータル年齢はあばかないでぇぇぇ!
唐突に、ドアをノックする音。
!!!!
助かった!誰?誰でもいい!
マリーちゃんでも、レイティシアちゃんでも、リーンさんでも!!
王様とクラリッサ様とゴリラーズと変態剣士はお断りするけど。
「お邪魔するわね。……あら、ダイア様?どうしてこの様な場所に?問題になりますわよ?」
レイティシアちゃんだぁぁぁぁぁあ!!
ヘルプッ!マイボス!
「おや?レイティシアちゃん?問題になんてならないよ。たんなるお見舞いさ」
大問題だよ!カボチャパンツの女子の部屋に入ってくるんじゃねぇよ。トップニュースで繰り返し報道されるレベルやぞ!
「問題ですよ、ダイア様。婦女子の部屋で2人きりになるなんて。これまでどんな令嬢にも興味を示さなかった貴方様が、こういうことをされたことが公になると、ちょっとした騒動です」
え?そうなん?
遊びまくってるかと思ったよ。慣れすぎてるから。いまだに心臓バクバクしてるし!
「俺は構わないよ?それでも」
構うんだよ!世間もこっちも!
前世でもアイドルが『一般の方とお付き合い』と言った時の『一般』は決して真実じゃないからな!文句のつけようのない『一般』はそこらの『一般』とは格が違うからな!
私はそこらの『一般』だ!
針のむしろはごめんこうむる!
「せめて、ルナが爵位を得ることが正式に決定してからになさってくださいませ!」
………ん?
あんだって?
あたしゃ、猟師の娘だよ?
「此度の功績で、ルナは叙爵することになります。まだ下級ですが、ルナならばさらに功績を積み上げるでしょう。ルナが成人するころには年も爵位も釣り合いがとれますから、こういうことはルナのためにもお控えくださいませ」
「わかった!ルナのためならそうするよ!」
おおおおおい!当人、なにも知らないんですけどぉぉぉ!




