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第50話 お見舞いはいいのよ

タカラジェンヌに担がれ、放り込まれた救護室。切り裂かれ、砂埃まみれのドレスと、紐が解かれたコルセットを取り払われ、ベッドに強制ダイブ。

掛布を被せられる時に、タカラジェンヌに、

「シーナを助けてくれてありがとう」

って言われた。シーナ?あ、肩を切られた人か!助かったんだね、よかったよかった。


タカラジェンヌはそう言った後、わたしの抜け殻となったドレスとコルセットをもって部屋を出ていった。


寝転がったまま、一息つく。

なんて日だ……、まったく。


早朝のスキン変更に始まり、王宮庭園に入る猟師の娘。王女様とのお茶会が始まるやいなや、王様登場。からの暗殺者登場。

巻き込まれて、思わず剣とって、地面を転がり回りながら、暗殺者の足を斬っていくわたし……。そして、吐き戻すわたし……。


詰め込みすぎじゃね?

情緒が追いつかないよ。


その結果が、ここ。

さすが王宮。立派な天井だなぁ……

まさか王宮に入るなんて思ってなかったよ。中学の修学旅行で姫路城に入ったけど、全然雰囲気違うね。当たり前か。


せっかくだ、少し寝かせてもらおう。

目を閉じて、ベッドに沈み込むように力をぬいていく。


「君、また活躍したんだって?」


ぬぅぉぉおあおおあおおあ!

なんで、いるんじゃ!われぇぇ!

扉開く音してない!目を閉じるまで誰もいなかった!わたし、ほぼ裸!!カボチャパンツオンリー!


目を開くと、目の前にアイドル顔教官、もといダイア・セイクム!


「さすがだねぇ。君、王にまで気に入られて、物語の主人公みたいだよ。ちょっと、お話しない?」


お話?!やだよ!面会謝絶中だよ!

乙女の寝室ぞ!我、裸ぞ!?

ちょっとは躊躇しなさいよ!


「な、なな、何で、こ、ここに?」


きちゃった♪みたいな顔してんじゃないわよ!

かわいいな!もう!


「あ、あの!わたし、今、ダメなので…!出てください!」


「君さ、魔法適性って知ってるかな?」


話聞きやしねぇな!偉い奴はこんなのばっかなのか!


「知ってそうだね、魔法使える人ってね、それぞれの属性に対応する色が認識できなくなるんだ。魔法はそれを補うために使えるようになっている」


知ってるよ!リーンさんに聞いたよ!

わたし試験で全部答えたから、適性ないよ!だから出て行けって!


「俺ね、全属性使えるから、視界に色がないんだよ。ぜーんぶ、灰色!」


全属性!?いいね!

……?視界に色がない……?

灰色……。あ!だから灰色の世界の住人って呼ばれてんのか!それはちょっと可哀想かも。


「でもね、君にだけ、色がついて見えるんだよ」


え……?!やめて?そういうの。ウソでしょ?


「色白って言っても、火属性みたいな赤みがあるんだね。もう、これは運命だと思うんだ!ねぇ!君の事、もっと知りたいな」


うおぉぉぉい!

なんか色々ぶっ込んできやがった!

そのアイドルフェイスでそんなこと言うのは……!

甘い!甘い!砂糖ガブ飲みしたみたいに!

でも不穏すぎる!!


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