第49話 何度目かのやらかし(不可避)
腕痛い、脚痛い、左手痛い。
もう剣も持ってらんない。
折れた剣を落とす。乾いた音が耳に響く。
賊もレイティシアパパの護衛が倒したみたいだ。
わたしが倒れさせた賊は……
!!やめてやめてやめて!!トドメ刺すのは!!
わたし、グロ耐性、ないから!!
う、ぅぉぉぉぉぉぉ……
吐気、こみあげる。
こんなとこで吐いたら、絶対不敬罪だ!!
王宮庭園汚損罪、かもしんない!
そんな法があるかは知らんけど!
た…え…れ…ない……
「「ルナ!大丈夫なの!」」
マリーちゃんとレイティシアちゃんがハモリながらやってきた。
「らいじょうぶじゃないれす……」
2人が背中をさすってくれる。
マリーちゃんがさりげなく、破れたスカートを整えて脚が見えないようにしてくれた。
現代女子高生マインドだと、全然平気なんだけどね。なんなら、パンツもカボチャパンツみたいなやつだし。露出度はそこまでないし、子供だし。
誰か歩いてくる足音。たくさん。
ということは……
「君のおかげで命拾いをしたようだ、感謝する」
レイティシアちゃんとマリーちゃんが声の主の方を向いて礼をしている。
でも、わたし、向けないよ?
そっち向いたら見えちゃうじゃん?暗殺者だった何某かが。
それに、吐いて、涎と涙でボロボロだし。
でも向かないわけにはいかない……
膝を曲げたまま、両手をつき頭を下げる。所謂、土下座姿勢で向き合う。
なるべく地面だけ見るように……
「すいません……、お庭を汚してしまいました……」
先に謝っとく!
だから、穏便に、迅速に、特急で要件済ませて!
早く帰りたい!寝たい!
「顔をあげなさい、ルナ…だったね」
いや、だから無理だっつーの。
見えるし!見せちゃうし!
「あの…、ご容赦ください……。酷い顔になってるので……。あと、死体とかみるの…苦手で……」
「お父様?ルナは私達の命の恩人です。恩人にはちゃんとした処遇を。まずは休ませてあげませんと」
レイティシアちゃんフォロー、ナイス!
休ませていただけるのが一番の報酬ッス!
「おお!それは気がきかなかったな、すまない!では、王宮の救護室へ連れて行ってあげなさい。マリアンヌだったか?君も、怖かったであろう、一緒に休むといい」
へ?いや、帰らせてもらえれば……
ああ!タカラジェンヌに抱えられる!
ちょちょちょっと、まって?!
おうちにかえらせてぇ!!




