第42話 何イベント!?!?
次から次へと、面倒事が寄ってくるのは何でかなぁ!しかも剣士率高くないか!?
わたしは事務職で、キャッキャしたいだけだぞ!
「俺はね、ダイア・セイクム。よろしくね」
うぉぉぉ!名前聞いてないし!イケメンだし!
何なら細身系マッチョ!好みにどストライクだけどさ!
そういう人材はわたしが成長してから登場しなさいよぉ!
「はい、これでいいかな?」
「あ……、はい……」
ナチュラルに木剣渡してきとるし!
あ……、はい……じゃないよ!わたし!!
やべえな!生のアイドル顔!
あ、侯爵家のポッチャリマン、フェードアウトしやがった!
「あの…、セイクム教官。わたし、怪我治ったばっかりで、打ち合いとかは……」
嘘じゃないぞ。ホントのことだ!
「ふふ、ダイアでいいよ!怪我はライニール君に治して貰ってるでしょ?大丈夫だよ、彼は凄腕の治癒魔法師だからね♪」
ちょっと待って!!いろいろいっぱいいっぱいなんですけどぉぉ!
ライニール様を君呼びしてる段階で、この人何者?!名前呼びしていいって、なにこのフレンドリー感!
な、なんかヤバくね?
絶対触れちゃいけない予感!
「じゃあ、はじめようか。最初は優しくするからね、安心して?」
はぅぅぅう!声が……声が!甘い!
「はぃぃ…」
なんだよ、わたし!めっちゃ動揺してるよ?!なにこれ、頭の中でリフレインしちゃってるよ!
瞬間、走馬灯がフル回転する。
迫る剣先。
突きだ。でも牽制。
少し弾くと、引かれていく。
続いて手元がしなるように動いて、片手で切り上げるような動き。
これは、受け流す。
木剣同士が擦れあって、微かな破片と粉が舞う。
……ぜんっっっっぜん!優しくない!!
逆袈裟のラインで切り下ろし。
これは右手をあげて、剣の元の方から受け流す。
後ろに飛び退いた。
「君!ホントにすごいね!もっといけるよね……」
なんか違う言葉に聞こえるから!甘い声で言うのやめて!!
踏み込みが深い!
このパターン、また怪我するやつじゃないの!?
跳びすぎないように、横に跳んで距離を確保。
訓練場の床を靴が削る。
下から這うように左手一本で振り上げ。
これ、受けたら飛ばされるやーつ!
剣先を当てて逸らす!
耳元に風を切る音。
続いて風圧が髪を靡かせる。
上に行ったから、次は切り下ろし……、じゃない!!
ダイア教官は振り上げた勢いのまま、右手でわたしの腰を抱いた。
顔がみるみる熱くなる。
か、か、顔、顔が……近い!!
「ふふ、やっぱり、君、面白いね。気に入っちゃった♪」
ななななな、何をををを、おっ、おっしゃってごじゃるか?!
「レイティシアちゃんに言って、俺につけてもらおうかなぁ」
今度は王女様をちゃん呼び!?
あんた何者ぉぉ!?




