第41話 おまえはもう(社会的に)死んでいる
さて、仕方ない、相手してやろう。
ここ、何か見られてるけど仕方ない。
ゴリラ隊長や、ゴリラ教官、変態剣士みたいな人外の化け物と違って、侯爵家のボンボンはいたって普通のポッチャリマンだ。
こちとら、毎日素振りしてる効果もあって、引き締まったボディだ。胸もないけど。
いや、まだ可能性はある。7歳だし。前世の遺伝子を受け継いでいないことを祈る!
パワー?ウェイト?
当たらなければどうということはないのだ!
とは言え、ボコって権力使われてもめんどうだ。リーンさんがまたグネグネになっちゃう。
視線のヌシも気になるし。
そんな訳で、短剣タイプの木剣を選択。
「さあ、どうぞ」
木剣を持ってない方の手のひらを上に向けて、指だけで誘う。
燃えよドラゴンのテーマ曲かけてほしいな。
おお、わかりやすく顔真っ赤にして向かって来おるわ、ふぉっふぉっ。
うん、すげぇゆっくり……
あの人外共はやっぱり異常なのだ。
逆手に持った木剣で逸らす。
軽い〜、考えてみれば、同世代と打ち合ったの初めてだな!どんだけスパルタだったんだ、わたし!
逸らす。
んー、ぷにぷにすぎて逆に筋肉の動き見えない。
問題にはならないけど。
避ける。
ついでに顔を寄せて言う。
「考えるな、感じろ」
たはー!言っちゃった!
人生で言ってみたいセリフ!
いよいよ、頭に血管浮き出てきたね。
大丈夫?切れない?
中性脂肪値高そうだよね、君。
逸らす
息あがってきた?早いよ?
まあ、受け止められるよりも逸らされるほうがキツイよね、わかる。
「お前らもやれ!」
おおっと、子分もけしかけるの?!
何という小物!でもヤバイね。
あんたら酷いよ?年下を寄って集っていじめようとするなんて!!
というわけで、囲まれないように逃げる。
ほーっほっほ、捕まえてごらんなさ〜い!
ていうほど余裕もないけども、多分もう少し……
ボンボンよ…、教官に用事作ったと言ってたけどね……。教官は1人じゃないよ?
さっきから見てた視線のヌシ、気づいてる?
「さて、面白そうなことをしているじゃないか……、どういうことか教えてもらおうかな」
やっときたよ。
あ〜、アイドル顔教官か。音もなくバク転しそうだ。
「女の子1人に数人がかりか……騎士以前に貴族としてどうだろうね。相応しい行為とは言えないね」
ボンボンと取り巻きが固まった。顔色どんどん悪くなっていってる!このアイドル顔教官も高位貴族かな!?
よしよし、じゃあトドメ。
「わたし……、この人達に追い回されて……必死で逃げてたんです……」
渾身の泣き真似!!
どうだぁ!お前はもう(社会的に)死んでいる……っ!
「いや、君、しっかり捌いてたね?噂の子かな?ちょっと俺と手合わせしてみない?」
え?
やだ。剣士コースは勘弁よ?




