第33話 能力測定の結果
わたしが寝込んでいる間に、生徒はみんな寮に戻ったらしく、教官の一人に連れられて、割り振られた部屋に戻る。
明日朝、掲示板に貼り出された教室に行くようにとだけ言われた。
付き添ってくれる教官は、リーンさんでもゴリラでもなく初めてみた女の人。
フレンドリーというわけでもないけど、話しかけると応えてくれる。
試しにゴリラはどうなるのか聞いたら、
「まあ、順当なとこで2カ月か3カ月くらいの減俸だろうね、ざまあみろだよね」
と、なかなか含蓄のある答えが返ってきた。
いくら貰ってるのかしらんけど、ざまあみろだ。
部屋に着くと、グラナド家の使用人さんたちの仕事なのか、わたしの荷物は綺麗に整頓されていた。兼定が壁に掛けられているあたり、だいぶ丁寧に扱ってもらってるみたい。
兼定を手にとって、すぐやめた。
なんかそんな気分じゃないや。
すごく疲れた。
酷い目にあったし。
やっぱり、走馬灯は剣士には向かないよ。
痛みが一瞬じゃないんだもん。
怪我したら普通の人の何倍もの時間、苦しむなんて、割に合わない。
コスプレに留めて置くのが一番だ。
ベッドに寝転ぶと、すぐに眠気が襲ってきた。
夜くらいはいい夢見れますように……
朝。
夢……何も見てない。覚えてない。
まあ、そうだね。今までもそんなに見てないし。
走馬灯を毎日見てるからね。
寝てる時くらい、何も見ない時間は必要だよね。
と、気づいたら、兼定持って、外に出てた。
「………んん〜、まあ、ラジオ体操みたいなもんってことで」
一通り素振りをして、寮の食堂に向かう。
朝早いせいか、食堂にはほんの数人しかいない。
クリストフもいない。
あいつ、寝坊しないだろうな……
あれ?わたしが起こさなきゃ?従者だし。
でも、男女別になってるから、向こうに入れないか。遅刻しなきゃいいけど。
食事をとってると、少しずつ人が入ってくる。
何人かのグループで。
そっか、試験後に交友する初回の機会を無くしたのか!
入学2日目にしてボッチだよ。しょぼん。
まあ、女子高生時代とそんなにかわんないし、いっか。職につけばそれなりに友達できるだろうしね!
部屋に戻って着替えて寮をでる。
寮を出たところで少し待ってたら、クリストフは駆け下りるようにやってきた。
あと5分遅れてたら置いていったぞ?
「ルナ!大丈夫なの?腕、…あれ?」
そら変だと思うよね。
「ご心配おかけして申し訳ありません、クリストフ様、治癒魔法をかけていただいたので怪我は大丈夫です。それよりも早くいきましょう。遅れてしまいます」
ほれ、はよいくぞ!グズは好かん!
講義等の前の掲示板に紙が貼りだされている。
んーー、成績で分けてるのかなぁ。
1〜4の数字の下に名前が書き出されている。
クリストフは3のところで見つけたらしい。
そこにわたしの名前がなかったので、クリストフが泣きそうな顔してる。
ほら、他にも可愛い子はたくさんいるぞ?
人口の半分は女性だ、頑張れ。
わたしの名前は見つからない。
あれ?どこにもないよ?
他の生徒は続々と教室に向かう。
あれ?あれ?ない、ないよ?
ひょっとして落第からの退学?2日目にして?!
あ!あった!!
なになに……この者は、リーン教官のもとへ来ること……グラナド家預り ルナ………
えぇ……?いきなり呼び出し?




