表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/134

第108話 静けさ、そして嵐

あれ?ここ家だ。

何してたんだっけ?


宴が始まって、オジサマ達に囲まれて、エール飲んだ。美味しくなかった。

うん、ここは憶えてる。

それから……、クラリッサ様に甘い飲み物貰って…、ディアさんが何か言ってて…、ロリアンさんと話したような……。

その後、ん〜、女の子達…、なんか話した。

それから…。


あ……、歌ったんだ。

調子にのって。それから……の記憶がない。


「んん〜、いつの間に眠っちゃったのかなぁ。今どれくらいの時間なんだろ。まだ宴は続いてるのかな?」


まだ窓が閉じられているから、朝にはなってないのだろう。足音をたてないように、部屋の扉を開く。


静かだ。そして暗い。

誰もいる様子はない。微かに隣の部屋から、寝息が聞こえる。ルカとレナだろう。

まだ夜中で、宴が続いてるらしい。


もうこのまま眠ってしまってもいいのかもしれないけど、お腹が激しく抗議をし始めている。

何も食べてないのだから当然だ。まだ何か残ってるんだったら、食べさせて貰おうと家を出る。


広場の方にはまだ火が灯ってる。


そちらに歩いていくと、男達の陽気な笑い声が聞こえてきた。まだ続いてるみたい。なら、少しくらいは食べるもの残ってるだろう。


「おお!わが村の歌姫じゃねぇか!また歌ってくれんのか!?」


ふぇ?何?歌姫って。

わわわ!ワラワラ寄ってきた!やめんか!少女に群がる酔っ払ったムサイ男衆なんて、絵面が犯罪だぞ!


とりあえず、逃げる!

パパ、ママ、それから食べ物はどこだ〜。

って!追ってくるなし!怖いから!


子供の群れに飛び込もうにも、もう帰宅させられたのか、一人もいない。

パパもママも家には居なかったから、ここにいるはずなんだけど……、いた!!


「パパ、助けて!追われてるの!それからお腹すいた。何か食べるものない?」


パパのいたところには、ママもクラリッサ様もディアさんもロリアンさんもいた。

なんだよう、みんなまとまってたのね。

アマテラスも。何よ、そのニヤニヤした表情は。


「ルナ、目が覚めたんだね。びっくりしたよ?急に倒れたと思ったら、寝始めたから」


なぬ?そんなダイナミックに就寝したのわたし?のび太くん並だな!


「ルナはお酒はダメそうだね。エールはともかく、ワインは子供には早いしね。まあ、ルナは知らずに飲んだみたいだから、お説教はしないけど、どんな飲み物も一気に呷ったらだめだよ?」


エールはそもそも飲み物としてダメじゃないかな?みんなあれ、よく飲めるよね。クラリッサ様がくれたのはワインだったのか。甘くて美味しかったけど、アルコール、強いんだろうな。


「それからね……、あの歌、今、王都で流行ってるのかな?とてもいい歌だね、それにルナがあんなに上手に歌えるなんて知らなかったよ。バンドンが泣き崩れて、あとでルナにお礼が言いたいって」


パパがわたしの頭を撫でてくれる。

何か照れくさい。フワフワして変な感じだよ。まだアルコールが残ってるのかな、そういうことにしとこう。


バッツのお父さん、少しは整理できたかな。

いくらこういう世界だからって、実の子供を失ったらつらいもんね。

救いになったのかはわからないけど、何か残るものがあったなら、歌った甲斐があるってもんだね。


「あの歌は、王都の歌姫が作ったのではなく、ルナさんが作った曲が広まって、歌姫が歌い始めたと調べがついております。ですよね?ルナさん」


ディアさん?!何暴露しちゃってんのよ!

ほら!今、こう……しんみりした空気だったじゃん?おいこら、周りの男衆!拍手すんな!


ちょっと、ディアさん、ワインを傾けながら言わないで?


「おそらく……まだあると思うんですよね……歌っていただけませんか……?」


いや、その、スカートの端持ち上げて、黒光りするやつ見せないで?それ脅迫だから!

男衆!しゃがむな!まだディアさんはペチコートを脱いでいない!

ディアさんも、調子に乗ってスカート持ち上げないで?!そんな妖艶な表情で!酔ってんの?!


「皆さん、少しお黙りなさい」


おお!ここでクラリッサ様!

ありがとう!皆を静まらせて!解散させて!


「静かにならないと、ルナさんが歌えません。ほら、座りなさい。はい、そこ!手は伸ばさないように。そちら、詰めなさい、まだ座れます」


救世主かと思ったらイベンターだったよ……

はい、どうぞ、じゃなくてね?クララ様?

あ、ワインはもういいです〜。


なんでパパもママも、楽しそうなんだ?娘が晒し者になってるんだよ?

もぅ!アマテラスもいつの間にか、最前列にいるし!!


……娯楽なんだね。これは。

土着の民謡とは違うのが楽しいのか。そうかも知れない。わたしがこの世界の本を読んだときと同じ感覚が、わたしの歌った歌で芽生えてしまったのかもしれない。


仕方ない、一曲くらいは歌ってあげようか。

といっても、アニソンかアイドルソングしか、レパートリーないけど。


何がいいかな……、即興でこっちの言葉で歌えそうなやつ……。女の人も、夫婦もカップルもそれなりにいるから、恋歌がいいのかな?クラリッサ様も好きだよね。


なら……


百年先も愛を誓っちゃおうかな!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ