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第107話 酔うとどうなるタイプ?

うぇぇぇ……

飲み物が美味しくないって、きついぃ。

早く口の中から味消えて…。


くそぅ、男衆め、笑いやがって!

10歳児にエールなんて飲ませるんじゃないわよ!ていうか、なんで他の子達は普通に飲めるの?


口直しの甘い物を探して宴会場を彷徨う。


「ルナさん、何かお探しですか?」


いつの間にかクラリッサ様の座る席まで来てたらしい。しれっとアマテラスが膝の上にいるし。


「エール……飲んじゃって。口直しの甘い物、探してますぅ…」


クラリッサ様、首を傾げて何か考えてる様子。珍しく表情がある。どして?

楽しげで、でもなんか迷ってる様子。


「じゃあ、これを飲みなさい。甘くてフルーティですよ」


おお!こんなところにそんな素敵な飲み物があるなんて!


「いただきます!!」


飛びつくようにカップを受け取って、呷る。


「クラリッサ様!ルナさん!それは!!」


ディアさんがなんか慌ててる。そんなに高級なものなのかな?気にしない〜。

甘い物なんて滅多に口にできないんだから。

高級だろうと、クラリッサ様がくれたのだ。


「甘い!!美味しい!!」


そして少しの酸味とフルーティな芳香……。

滑らかな喉越し、そして、確かな飲み応え。

こんな美味しい飲み物あったろれ……。

あれれ、なんらか、へんら……。

あまてらす、なんでわらってふの?

けろ、楽ひい!!


「クラリッサ様!ルナさんにワインは早すぎます!」


へ?わいん?なんらっけ、それ。


「ダメだったかしら……。うん、大丈夫よ!だって、ルナは凄いもの。剣の腕は、昨日も活躍したんでしょ?それに頭の回転も早いのよ!なんていったって、史上最年少の中等部卒業、最年少騎士爵叙爵確定!さらに精霊様に気に入られて、その上、文才もあるのよ!あなたも読んだでしょ?『王都学院恋物語』!あの人物の書き分け……みんなそれぞれに個性がでるように書き分けられてるのよ!はぁ〜、もう可愛くて誇らしくてしかたないわ!!」


あはは!くらりっささまが、ごきげん〜。

楽ひそうだねぇ〜。


「わたしぃ〜、なにか食べてきまふ〜」

「クラリッサ様まで、そんなに酔って……。ちょっと、ルナさん!!まって……」


あは〜、なんかぐるぐるするよぅ。

あ!ろりあんはんだ〜。


「ろりあんはん、なんかおいしいものある?女の子は食べちゃダメだそ♪」


目ぱちくりさせてる!!かわいい!


「お、おお!?嬢ちゃん?ご機嫌だね?」


おお?!いつも間延びした話し方なのに〜、普通の話し方できるんじゃん〜。

あれれ?走馬灯止まってんのか、まあいいや!


「ふつうらよ?!ふふふ、ろりあんはんの、声、かっこいいれ!」


「ん?!んんんん!嬢ちゃん!?酔ってる?」


なに言っれるんだ、ろりあんはんは。


「酔っれないれふよ〜?あははは!」


あ、あそこに、女子たちいるじゃん〜。おともらちになれるかな〜?


「あ!ルナちゃんだよね!王都の学院に行ってたんだよね!どうだった?!やっぱりカッコいいひといるの?なにか面白いことあった?」


んふ〜、そういうの気になるよね〜。

ここは、けいけんしゃとして、伝えなければ〜


「かっこいい人はれ〜。いたよ〜。ダイアさまとか〜、しゅらいん伯爵とか!でも、クリストフさまが一番すてきだったかも!」


黄色い声、あげる女子!!

そうらよね〜、こういう話、盛り上がるよね〜


「あとね〜、王都のうたひめが、わたひの作った歌、うたってた!あはは〜」


さらに湧く女の子!いいねぇ〜、こういうノリ、好きらよ〜。


「ねぇねぇ!ルナちゃん!その歌、歌って!」


りくえすと、きたよぉ!

宴だしね、うたっちゃお〜


アカペラだけど、今度はこっちの言葉で……

では、聞いてください!『魂の繰り返し』〜


歌い出しの歌詞……。

あ、いかん……。わたし、酔ってた。

ダメだよ、情緒が不安定なところで、こんなの歌ったら。


涙が止まらない。

いろんな想いが交差していく。


なんで、自分が歌って、自分に染みていくのさ。

わたしの魂も、繰り返してここにいる。


声のない号泣をしながら歌うわたしは、みんなにどう映ってるんだろう。


許して、今日の醜態は。

飲まされたエールとワインのせいにして。


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