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第105話 災害の影響

「な〜ぅ〜」

アマテラスの声、頭をペチペチと叩かれる感触。

これは間違いなくアマテラスだ。

だって、爪が痛い。


なによぅ、レナちゃんに甘えてるんだから、もう少し……、あれ?何でわたし、寝てるの?


いつの間にか、ベッドで横になってる。

窓から見える空が赤い。もう夕方だ。


身体が痛い。筋肉痛だ。

走馬灯状態は相変わらず、手加減というか、力の加減が難しい。実戦では余裕もないからなおさらだ。

とは言え、動けないほどでもない。


身体を起こすと、アマテラスが膝の上に乗ってきた。


「あいたたた。アマテラス、おはよ。お肉たべる?」


傍らに置いてあった、わたしのザックを痛みを堪えながら取り、中からアマテラス用の肉を出す。

な〜、という一鳴きとともに、肉を食み始めるアマテラス。


「わたし、寝ちゃってたのね……」


レナちゃんに抱きついてすぐに眠りに落ちたようだ。無理もないか、仮眠とったとは言え、徹夜で魔獣退治に加わってたんだから。

何日かは、生活のリズムが狂いそうだなぁ。


筋を伸ばしながら、身体の状態を確認していると、アマテラスが肉を食べ終えたようだ。

それと同時に、耳がピクリと動き、隣の部屋の様子を気にしている。

わたしを物言いたげな目で見上げてくる。


「何よ、隣の部屋に何かあるの?」


軋む身体に軽く悲鳴をあげながら、わたしは隣の部屋に続く扉を少し開いてみる。


……。

そっと扉を閉じた。

なんて言ったらいいんだろう。


手前では、ディアさんが給仕をして、うちには絶対に置いてなかった茶器が使われている、クラリッサ様とママの優雅なお茶会。

奥では、パパと武装した村の衆による物騒な雰囲気の会議。


目に入ってくる情報が両極端すぎて、情緒が追いつかない。


あれ?ルカとレナちゃんは?


もう一度覗くと、レナちゃんはクラリッサ様の隣の席。ルカはパパの隣で会議に参加している。

いやいや、二人とも。

そのシチュエーションは年齢不相応じゃないかね?もっと、子供らしいことしててよ。

わたしもだけど。


とりあえず、わたし一人寝てるわけにもいかないから、覗き屋をやめて、隣の部屋に入っていった。


「パパ、ママ、眠っちゃってたみたい。ごめんね。これ、一体、何事?」


「お茶会よ?」

「森の様子がね、おかしいんだ」


同時に話されるとわかんないよ。

森のお茶会がおかしい?そりゃそうだ、おかしくない要素がない。

ディアさん!解説をお願いします!


「グラナド伯爵に遣いを出しました。領内の近隣の村や集落の様子を確認するようにと。それから、この村の物資が不足しそうなので、商人の手配と、援助をお願いしたことを、伝えに来たところです。ついでに、同じ学院を卒業した縁ということで、ナタリーさんと親交を深めに来た、ということです。

あちらは、森の様子を見に行っていた村の方が戻ってきたところです。話を聞くに、森もかなり荒らされているようで、生き物の気配もなく、しばらく狩りで獲物を捕るのが難しい、とのことでした」


うん、概ねなんとなくおぼろげに把握!

さすが敏腕使用人のディアさんだ。

強くて、気が利いて、頭の回転が早いなんて、かっこよすぎじゃない?

次の物語の主人公にしちゃおう。


そして、情報の爆撃。

近隣の…物資が…援助で…卒業して…狩りできない。

うん、半分くらい忘れた!

寝起きで頭回ってないから……、お腹すいたし!!


「今から、何かあるの?手伝えることあるなら、何でもするけど」


村の衆と、パパとママ、クラリッサ様がそれぞれの顔を見合わせていく。


「「「「まずは、宴会だ(ね)」」」」

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