ー8ー
「ミツに守ってもらって幸せ?」
「何様なの?」
私は今、ミツルを好きなギャル軍に囲まれていた。
「………。」
何かを言っても誤解が生まれると思って黙っていても相手の苛立ちというものは上がっていくものらしい。
私は、腕を引っ張られると旧倉庫へ押し込まれた。
そのまま倉庫の扉を閉められてしまった。
「(どうしよう。この状況を…」
扉は内側から開きそうになかった。叫んだところで校舎の方まで聞こえそうにないし、扉の前に見張りみたいな人がいなさそうだ。
学級委員の仕事をしていない私を探してアオイが変に思ったりしてくれないだろうか?
かすかな望みをかけるなら、それくらいしか考えられなかった。
古い建物なだけにどこかに抜け穴みたいなものはないのかなと思ったけれど、そんなものはありそうにない。
けれど、何もしないでいれば時間はどんどんたち、夕方になっていってしまう。
諦めているわけではないが、何も出来ることがなくてしゃがみ込んでいると、外から扉を叩く音がなった。
ドンドンドン!
「める!そこにいる?」
扉の外からアオイの声がして、助かるかも知れない!と顔を上げた。
「アオイくん!!」
私は、できるだけ大きな声で叫んだ。
すると、外側から扉は開いた。私の姿をとらえたアオイが、私に心配そうに問いかけた。
「大丈夫?怪我とかしてない?」
少し私に対してかがんだアオイの頭をここまで連れてきたんだろう女子生徒が、アオイの後ろから不意に硬いもので殴りかかった。
「………ぃ」
「アオイくん!!」
殴られたアオイも倉庫側へと押し込まれて、また倉庫は扉を閉められてしまった。二人が倉庫から出られなくなってしまったけれど、それどころではない。
「アオイくん?!アオイくん!大丈夫??」
アオイは、まだ頭をさすったまましゃがみ込んでいる。
「俺は…大丈夫。血もでてないし。めるも殴られた?」
「ううん。私は、ここに引きずられてきただけ」
「せっかく探しに来たのに、役に立たなかったな俺」
閉じ込められてアオイは落ち込んでしまったみたいだ。
「そんなことないよ。さっきまで1人で心細かったから……1人よりアオイくんがいるほうが安心できるよ」
「俺、生きてきてそんなこと言われたことないかも」
フッとアオイが少しだけ笑ったような気がする。
そりゃ私だってそんな事、他の人に言ったことなんてないよ。っと、思うと少し恥ずかしくなった。




