ー52ー
朝になって目を覚ますと、私の隣からアオイはいなくなっていた。
私は、慌ててボサボサの頭のままリビングへと走り込んだ。
「アオイくん!?」
そこには、朝食を作ってくれているアオイとは違う人が、私に朝の挨拶をくれた。
「あ、おはよう。めるちゃん」
「あ、え、おはようございますっ」
キッチンにいたのは、私に鍵を渡してくれた叔父さんだった。
「どう?仲直りできた?」
「え…あーうーん…たぶん?ところでアオイくんはー?」
叔父さんは、自分が二人のキューピットとして一役かったのではないかと上機嫌なのだけど、私からするとちゃんと仲直り出来たのか不安でならない。
「アオイは、朝の日課のジョギング行ってるよ」
「あ、そうなんですね」
起きたら隣にアオイが居なかったから、嫌われてしまったんじゃないかと焦ってしまった。
「ここにいるとお嬢の散歩に行かないから、朝走り込みしたいみたい。そういえば、めるちゃんってお嬢に似てるかもね」
「そうですか?!」
アオイの朝の日課がジョギングとか知らなかった。それにしても、私がアオイの家の犬に似ていることはないと思う。そんなに愛らしくないし、そんなにアオイに尻尾を振ってるとも思わないけど…。
「顔洗っておいで?」
「あ、はい」
叔父さんにそう言われ洗面所へやってきて、顔を洗った。自分の家じゃないから髪の毛のハネとか手櫛で直せるかな?と思っていると、外からアオイが帰ってきたみたいだ。
「ただいま」
そのままアオイの足音が洗面所へ近づいてきた。
「わっ!びっくりした」
ガラッと扉を開けて私がいたので、アオイが驚いた声をあげる。
「もう、起きてたんだ。おはよ、タオルこれ」
アオイが私に顔を拭くようのタオルを渡してくれる。
「ありがとう。起きたらアオイくん居なくて寂しかった」
「え、ごめん?(すやすや寝てるめるの顔を眺め続けるのにも限界があるんだが?」
洗顔後の顔をタオルで拭いて顔をあげると、ジョギングで汗だくになったアオイがTシャツを脱ぎ捨てた瞬間だった。
「わっ!」
今度は、思わず私が声を上げてしまった。
「俺、風呂入るから、先に朝ごはん食べてて」
振り返ったアオイと目が合ったら、ドキドキしてしまいそうだったから、タオルで顔を隠しながら答えた。
「アオイくんと一緒がいいから、待ってる」
そういうと、私は洗面所から退散することにした。




