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もうすぐバレンタインが近づいてきていた。私は、アオイにクリスマスプレゼントを用意できなかったし、ちゃんとバレンタインっぽいプレゼントは渡したい。
「でも、アオイくんは甘い物があまり得意ではないんだよね…どうしよう」
バレンタインに甘くないものって…なにがあるんだろう。
ネットで検索してみると、クラッカーやピザが出てきたけれど、どれもピンとこないなぁ
スーパーからチョコがなくなってしまうことを考えたら、チョコの争奪戦をしなくていいだけありがたいのかもしれないけれど、それはそれで何を作ったら喜んで貰えるんだろう。
プレッツェルみたいなパンとか?どうなのかな。色味が全然可愛くないけど、大丈夫かな。
よし、今日から当日まで特訓しよう!
「どうかなーうん、よし!」
何日か焦げたパンと格闘しながら自分の中で納得のいくプレッツェルと出会えた。失敗もなくなってきたし、これならバレンタインの日に持っていって渡すことが出来そうだ。
バレンタイン当日。
見た目が茶色いパンなだけに、少しでも可愛く見せたくて入れる袋だけは可愛くカラフルなものにした。
「喜んでもらえるかな」
カバンに入れて登校したけれど、渡すタイミングが見つけられない。
今日にかぎって、アオイは遅刻ギリギリで登校してきたし、お昼も購買に買いに行ったら教室に戻ってこなかった。
放課後には、一緒に帰るだろうしいいか。って思っていたら、担任に呼び出されて学級委員の仕事をしていたら、すっかり遅くなってしまった。
教室に戻ってくると、すでにアオイのカバンがなくなってしまっている。
「先に帰ったのかな?」
とりあえず、昇降口で靴を確認してみたけれどアオイの靴がないから、もう帰ってしまったみたいだ。
バレンタインを渡したい事をメールしたら、会えないかな。と思い、駅までの道のりを歩く。
「メール返ってこないな、どうしよう」
せっかく作ったのに渡せないのは嫌だな。
お正月にアオイに直接会いに行った事を思い出して、パンを渡しに行こうと思い立った。
「家にいなかったら、おうちの人に渡してもらえばいいか」
そう思いながら、アオイの家についたのに、門を前にすると大豪邸すぎてチャイムを押すことをためらってしまった。
そもそもお母さんに渡してアオイに届かなかったら、どうしよう…とか、いろいろ考え始めてきてしまった。
「あれ?めるるん?」
家の前でオロオロしていたら、ミツルが先に帰ってきたみたいだ。
「あ、ミツルくん」
「どうしたの?」
学校から帰ってきたミツルの両手には、持ちきれないほどのチョコの袋がぶらがっていた。
「アオイくんにチョコ渡したかったんだけど(ミツルくんに渡してもらう?どうしよう」
「上がっていきなよ。そのうち帰ってくるだろうし」
「えっ」
ミツルが玄関の扉を開けて振り返った。
「ほら、おいで」
「ぁ、お…おじゃまします」
私は、ミツルに言われて朝日邸に入った。




