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冬休みが明けて、私は大変なことに気がついた。
「痕が消えない!!」
お正月から1週間がたったのに、キスマークが消えないという事態が発生した。
「え、これ…どうしよう」
首筋だから、制服で隠れる部分ではなくてどうすることも出来ない。
大きい絆創膏をはる以外に対処法がわからないよ。私は、できるだけ肌に近い色の絆創膏をはり、学校に行くことにした。
幸いな事に、友達がいないから「どうしたの?」と、聞かれることはなかった。
冬休みが明けて、学校に登校してきたミツルが、私の首元の絆創膏を見るやいなや笑顔で挨拶してきた。
「めるるん、おはよ♪」
「あ、うん」
アオイに気づかれないかヒヤヒヤしながら、そっけない態度を取る。
そもそも、ここで仲良く挨拶を交わしていてもおかしな事のように思うから、周りの女子からも睨まれない程度の反応をみせた。
私が考えていたよりも絆創膏がそこまで目立っていなかったのか、丸1日アオイにバレる事はなかった。
少しホッとしながら帰るための準備をしていて、アオイに呼ばれた。
「める、ちょっといい?」
「え?うん」
アオイが何も喋らないまま廊下を歩く。どこに行くんだろう?
理科準備室までやってきた。
「俺に言わないといけないことない?」
「え?」
もしかしなくても、やっぱりアオイは登校する前から知っていたのかな。
何も言い出そうとしない私にアオイは
「………………その絆創膏、どうした?」
「これはアオイくんが」
付けたんでしょ?って続けようとして、それよりも早くアオイが話にわって入ってきた。
「そんなわけないよ。俺は1週間以上残るような痕は付けた覚えはないよ」
「え…」
それって、どういう意味??アオイがキスマークを付けた時に「いまは冬休みだから、いいよね?」って言っていたような気はするけれど。
私に向かってまっすぐ歩いてきたアオイは、私の首筋の絆創膏を剥がしてしまった。
「あっ」
勢いよく剥がされた絆創膏の下からはキスマークが現れた。
「ああ、なるほど」
それを見るなり、アオイは瞬時になにかを察したみたいだ。
「俺のキスマークの上にキスされなかった?」
「……………」
何も言わなくても自分の立場が悪くなることは分かっているけれど、なんて言葉にしたらいいのか、分からなかった。
「…………ミツル?」
アオイが怒らずに私の顔を覗き込んできた。
「お正月にアオイくんが帰った後に…朝日くんがきて…」
「うん…(だから、着物きちんとたたまれてたのか」
アオイは、私の体を引き寄せると抱きしめてくれた。
「ちゃんと言ってよ」
「嫌われちゃうと…思って……それに」
「それに?」
まだ、なにかあるのか?と身構えるアオイ。
「……し、下着姿をスマホに撮られてて、何されるか分からなくて怖くて…」
思い出したら、少し涙がでてきてしまった。あの日、ミツルから腕を掴まれた事も怖かったけど、首筋にキスされてた以上の事はされなくて帰れてホッとしたけれど、自分が服を着ていない写真がどうなるんだろう…と思うと怖くないわけなかった。
「そんなに怖い思いしてたのに、問い詰めるような事してごめん」
アオイの抱きしめる腕の力が強くなる。そして、アオイは私の頭を撫でてくれた。
「めるを嫌いになんかならないから」
その言葉にようやく私は安心して、私もアオイを抱きしめ返した。
「うん。ありがとう」




