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「夕方だけど、人いるね」
「元旦って感じだな」
列に並んで、用意してきた5円玉を投入する。
「(今年もアオイくんと仲良くできますように」
私は、目を閉じて手を合わせた。そんなに必死に拝んでいたつもりはないんだけど、目を開けて隣をみたら、もうアオイはお願いしていなくて、いつから私の横顔みてたの?!って気持ちになった。
手を繋ぎながら、今年の運試しにとおみくじをひいた。
「よぅし!」
ガシャガシャガシャ!と言う音と共に棒がでてきた。
「はい。44番ね!」
神社の人から紙を受け取る。…44って不吉すぎない??
「そっちの人は7ね!」
アオイが、静かに内容を読んでいたので、私は普段あまり内容読むタイプじゃないんだけど、私も読んでみることにした。
「なんだった?俺は吉。可もなく不可もない感じかな」
私は、自分のおみくじに目を通して震え上がった。
「……凶。凶だよぉぉ…どうしようぅ」
あまり人生で凶とか出たことなさすぎて、涙目になってしまった。
しかも、恋愛の所が「いろんな方向からのアプローチあり、争いの種が波乱をうむ」って書いてある。
私の手の中のおみくじをアオイが覗き込んできた。
「え、でも内容そんなに悪くなくね?単純にモテ期なんじゃん」
「え…(凶をそんなにポジティブに受け止める方法あるんだ」
うーん…たしかに、そう言われたらそう聞こえなくもない???
「大吉じゃないやつは結ぶらしいから、そっちの棒に巻こう」
私が棒におみくじの紙を結ぶと、私が巻いた部分の輪っかに通すようにアオイが紙を結んだ。なんだか、永遠の∞みたいな形になって、カップル感がある。
「こんな結び方初めて見た!」
「こないだテレビでやってた」
「そうなんだ」
それだけのことなのに、なんだか嬉しい。やっぱりアオイと一緒にいると気持ちが上がる。本当に、ただ神社に行っただけでどこにも寄らずに、私達はさっきのスタジオに戻ってきた。
すると、アオイのスマホが鳴った。
「あーごめん。俺、もう戻らないと…」
「え、あ、着物どうしようっ」
アオイは、着物で家から来たから、そのまま帰るだけだけど、私は借りた着物をどうしたらいいんだろうか?着物のたたみ方なんて分からないんだけど。
「脱いだら置いておいてくれればいいよ。今日は会いに来てくれて、ありがとう」
アオイはすぐに行ってしまうのかと思いきや、私のところまでやってくると、元旦から強引なキスをされる。
強引なのに全然イヤじゃないって、私はどれだけアオイのことが好きなんだろう。
そう思っていると、アオイの唇が私の唇からはなれて、私の首当たりにアオイがキスをする。
「……………っ」
少しだけ甘い痛みがあり、なんだろう?と思っていると、アオイが
「いまは冬休みだからいいよね?それじゃ、またな」
と、アオイはご機嫌な様子で家に帰っていってしまった。
なんの事か分からず、更衣室の鏡を見たときにようやく理解したのは、自分の首筋にキスマークが付いているって事に。
漫画とか見ている時に恋人からされることで羨ましいなって想像したことはあるけど、実際の自分の首に赤い痕が見えると、ちょっと恥ずかしいものなのかもしれないって思った。




