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そうこうしていると、すぐにお正月がやってきてしまった。
年始のハッピーニューイヤーは、メールが混み合うから、朝起きたらメールしよう!と、思っていたら、冬休みだからお昼まで寝てしまった…。私のバカ…。
急いでアオイにメールしてみた。
『あけましておめでとう!今日って会えたりしないかな?』
メールをしてみたけれど、案外すぐに返信が返ってこなくて、コタツの上のミカンを食べながら、テレビをみていてもつまらなくてゴロゴロしていた。
「なにしてるんだろ?」
手放しにしていたスマホが鳴った。
『あけおめ。どうした?』
『時間があれば、初詣とか行けないかな?って思って』
15時をすぎてもメールがこないあたり、忙しいのかな?って思ったんだけど、ちゃんと会って挨拶がしたいって思って、そうメールを返した。
『あーうん…ちょっと正月いろんな人が来てて、抜けるの難しいかも。家から歩いて5分のところに神社はあるんだけど、1時間も会えないけどそれでもいい?』
『わがまま言ってごめんね!できれば、それでも会いたいかも』
と、私がメールをするとアオイから『じゃーここまで来てもらってもいい?』と、住所が載った地図のような画像が送られてきた。
えっと、駅でもないけど、どこなんだろ??
『わかった!』
と、メールを打つとカバンにスマホを入れて急いで家を出た。
電車に乗ってやってきたのは、大きな門のある家の前だった。
『ついたよー』
と、メールをアオイに打つと、その大きな門が開いて、中から羽織袴のアオイが出てきた。
「………えぇ?!もしかして」
「ここ、俺の家」
豪邸すぎて腰抜かすかと思った。なにより、着物きてるアオイがカッコよすぎる。私も着物きてくればよかったかな。
「あけまして、おめでと。わざわざごめん」
「ううん。私こそいきなりごめん。着物いいなぁ」
アオイの前髪が上がっていて、今日はメガネをかけていた。
「めるも着る?」
「え?」
「こっち来て、たぶんあると思う」
なにが?と言いたくなるくらい内容がよくわからなくて、とりあえずアオイの後に続いた。
アオイについてやってきたのは、スタジオのような場所だった。
「わぁ、ドレスとかいっぱいあるね!もしかして文化祭のドレスって」
「そう。ここから拝借したんだ。ヴァイオリンの演奏の時に着る衣装とか、そういうやつ」
なるほど、だから文化祭の日のドレスはあんなにちゃんとした物だったのか。
「着物もあるけど、何色がいい?」
「ピンクかな」
着物を手にしたアオイが、何かを思い出したように固まった。
「あ、でも俺が脱がせるわけにはいかないか」
「えと、浴衣着たことあるし、なんとかなるかも??」
「じゃ、着物の下に着るやつ着たら出てきてくれる?」
アオイに渡された物を受け取ると、カーテンレールの向こうへ行く。
まさか着てきた洋服を脱ぐことになると思ってなかったな。
袖に腕を通すと、前を合わせて紐でとめる。ここまでなら、なんとかという感じだ。
「こ、こんなかな」
私は、カーテンの向こうへ顔を出した。
「ごめん。足袋渡し忘れた」
足袋を履いて、ピンクの着物に手を通す。そこからは、アオイがやってくれるみたいで近くにやってきた。
「アオイくんは、人に着せられるんだね」
「俺もどこまでやれるかは分からないな」
そういいながら、淡々と着付けていく。
「ここ、抑えてて?ちょっと脇から指ツッコむけど大丈夫?」
後ろに回ったアオイが、着物の前を整えるために脇にある隙間から手を入れるんだけど、絶妙に胸をかすめている気がして変な声が上がりそう。
紐で縛るとほぼほぼ形になっているような気がする。
「すごい!」
「苦しくない?」
「うん」
あとは帯をしめて、一緒に飾りを選んだ。
「こないだ貰った水色のヘアピンと同じ色がいい」
「じゃ、帯飾りは水色で。うん、いいじゃん」
髪の毛は、うまくできないからポニーテールに髪飾りをした。
「じゃ、神社行く?」
「うんうん♪」
お正月に会いに来たら、まさか二人で着物きて神社に行くことになるなんて思っていなくてワクワクがとまらないなって思った。




